五輪出場をめぐり、日本カーリング界が混沌としてきた。その一因となったのは、韓国で開催中のカーリング選手権。3月17日の1次リーグ第5戦で、日本代表のフォルティウス(世界ランク5位)がスイスに5-9で敗退したのだ。
フォルティウスは同日に行われた第4戦のリトアニア(世界ランク20位)には10-3で大勝したものの、強豪スイス(世界ランク1位)相手に始終、力みがあったのか、序盤からリードを許してしまう。第3エンドでスキップ吉村沙也香がまさかのミスショットを犯し、3点を献上。そのまま挽回できず、最後はコンシード負けとなったのである。
これで通算2勝3敗。1次リーグは出場13カ国が総当たりで、上位6チームが決勝トーナメントに進出するが、フォルティウスは正念場を迎えた。
この選手権は来年のミラノ・コルティナ五輪の前哨戦となる大会であり、今後の日本代表に大きな影響を及ぼすことになる。スポーツ紙五輪担当デスクが解説する。
「日本代表は今年9月に北海道・稚内で行われる、前年優勝のSC軽井沢、今年優勝のフォルティウス、そして世界ランク最上位ロコ・ソラーレの三つ巴で決定します。コルティナ五輪出場枠は10カ国。この世界選手権でイタリアを含め、上位8カ国の出場が決まります。しかし、もしもフォルティウスが1次リーグ敗退となれば、たとえ9月に日本代表が決まっても、12月の世界選手権に回り、残る2枠の五輪出場枠を懸けて戦わなければならなくなる。3大会連続の五輪出場を目指すロコ・ソラーレにしても、崖っぷちの戦いが続くことになりそうです」
それでもロコ・ソラーレのファンは、スキップ・藤沢五月の神業ダブルテイクアウトでの逆転勝利を待ち望んでいることだろう。