ロッテ・佐々木朗希投手の契約更改が初めて越年しそうだ。その背景には、佐々木が来オフのポスティングシステムによるメジャー移籍容認を球団に求めていることがあるという。
「令和の怪物」といわれる右腕はプロ4年目の今季、WBCに出場。準決勝のメキシコ戦には佐々木目当てにMLBのスカウトが64人も訪れた。シーズンでは、7月下旬に左脇腹肉離れで離脱。9月に復帰したが、自身初の規定投球回には今季も届かず。防御率こそ1.78をマークしたが、7勝4敗止まりに終わった。
12月10日には一部報道で、今オフのポスティング移籍を球団に訴えていると伝えられたが、申請がないまま15日に期限切れに。そこで佐々木サイドは来オフのポスティング容認を巡り、球団と攻防を繰り広げているというわけだ。
「ポスティング移籍には『25歳ルール』があり、25歳未満でプロ経験が6年未満の選手は、契約金の制約がある『国際アマチュア選手』に分類され、マイナー契約しか結ぶことができない。佐々木朗は現在22歳。当面、メジャーに移籍したとしてもロッテは多額の移籍金は得られず、メリットがないわけです」(スポーツライター)
SNS上ではメジャー行きを支持する声よりも、時期尚早という声の方が多いようだが、元ヤクルトで選手・コーチとして活躍した宮本慎也氏は12月25日に更新した自身のYouTubeチャンネルで佐々木のポスティングについて「まだ中6日で1年持っていないのに、それはちょっと違うんじゃないかなと思う。希望とか夢で語るのはいいけど」とコメント。さらにこう続けていた。
「ロッテがあれだけ大事に育てて、今年でいうと中6日で回らせていって結局途中でケガした。ポスティングは球団がOKと言わないといけない制度なので、球団に恩返しした形で、あと2年しっかりフルで働いて(ポスティングを)お願いしますといえば、ロッテも快く『行ってきなさい』となると思う」
いずれメジャーに行くのは確実な選手だが、その前にメジャー投手史上最高額でドジャース入りしたオリックス山本由伸のように、個人タイトルを総ナメする姿を見せてもらいたいものだ。
(鈴木十朗)