巨人の大城卓三捕手が、大スランプに陥っている。4月30日までの直近6試合で12打席中、安打は「0」。通算打率は2割3厘まで落ち込み、いよいよ1割台が迫ってきた。
そんな不甲斐ない大城にファンも納得がいかないようで、SNS上には誹謗中傷が乱れ飛ぶカオス状態。「さすがにやりすぎ」と同情の声まで上がっている。
大城は昨季、自己最多の134試合に出場して、打率2割8分1厘、16本塁打を記録。なによりも「打てる捕手」としての期待が大きかっただけに、ファンの落胆は理解できないわけではない。
野球解説者の高木豊氏は、自身のYouTubeチャンネルで、阿部慎之助監督の捕手起用方法について「守りを重視している」と言及。その上で「使われない時に時間があるんだから、勉強してほしい」と大城にアドバイスを送った。坂本勇人、岡本和真に続くキーマンとして大城の名前を挙げた高木氏は「打撃面で存在感を示す必要がある」とハッパをかけたのだった。
実は大城には過去に何度か「一塁コンバート」が浮上したことがあり、原辰徳前監督時代には実際に、一塁でスタメン起用されている。リード面に課題があり、一塁手転向で打撃力をより生かせるとの考えからだった。
阿部巨人では岸田行倫と小林誠司という、2人の捕手が併用されている。捕手出身の阿部監督が求めるもの、起用のハードルは上がるため、インサイドワークの改善が見られなければ、捕手・大城の積極起用は難しくなる。
だからか、球団OBから「野手としての道も選択肢に入れてもいいのでは」との意見が上がっているというのも頷ける話。スポーツライターが語る。
「もともとリード面で小林や岸田に引けを取る大城がレギュラーの座をつかむには、バッティングしかない。昨季、リーグ2位の盗塁阻止率3割7分3厘の強肩を生かして、一塁のほかに外野手として起用してみるのもアリかもしれません。リードに気を使わない分、伸び伸びと打撃に専念できるんじゃないでしょうか。来季はFA権行使の可能性もありますし、今さら無理に捕手として起用する必要はないかもしれませんね」
ここまで小林がマスクをかぶった時の防御率は0.46、岸田は1.21。対して大城は2.80と、その差はハッキリしている。阿部監督が「守り」を重視する野球を続ける以上、大城には早晩、「転機」が訪れるかもしれない。
(ケン高田)