ドジャースのデーブ・ロバーツ監督から佐々木朗希投手に、「最後通告」が突き付けられた。メジャー初登板となった3月19日のカブス戦(東京ドーム)は3回1安打5四球で1失点、本拠地デビュー戦となった3月29日のタイガース戦は1回2/3を3安打4四死球2失点と、いずれも問題のある投球内容で降板。ロバーツ監督は佐々木の次回登板を、4月5日(日本時間6日)の敵地フィリーズ戦と明言している。
この起用は最後のトライアルになるかもしれない。なにしろ敵地フィラデルフィア市の別名は「ゾンビタウン」。かつての製造業工業団地は失業者であふれ、麻酔薬フェンタニル、ヘロインやコカインの中毒患者700人がゾンビのように街を徘徊する東海岸最悪の治安状況だった。
トランプ大統領が日本時間4月3日5時に発表した、日本も対象にした強行な関税政策は、フェンタニルの輸出国、密輸国への報復措置でもある。
ファンからはフィリーズの本拠地シチズンズ・バンク・パークで観戦すると「ラリッてしまう」と揶揄されるほど。同球場の球審のストライクゾーンは、実にデタラメだ。大谷翔平はエンゼルス時代からボール球でもストライク判定され、打席に入る前から大ブーイングが。ファウルでも罵声、空振りしても罵声を浴び、昨年7月のフィリーズ戦は3試合で3安打0本塁打、チームも3連敗を喫した。
自軍選手へのヤジも容赦なく、昨年は打撃不調の遊撃手トレイ・ターナーを、珍しくファンが応援したことがニュース、ドキュメンタリー映画になったほどだ。
佐々木はそんな球場で怒号を浴びながら、マウンドに上がる。際どいコースに投げても当然、ストライクをとってもらえない。
この起用でロバーツ監督は、「甘いストライクゾーン」に投げざるをえない佐々木の160キロストレートとスプリットがどれだけ通用するのか、精神面も含めて見極めるつもりなのだろう。
こんな恐ろしい球団で活躍した日本人メジャーリーガーが2人いる。元オリックスの田口壮、元ロッテ監督の井口資仁だ。2人ともフィリーズ時代にワールドシリーズ優勝まで経験している。
ちなみに、今オフに阪神からポスティングでマイナー契約した青柳晃洋は、これまでの2試合の登板で、防御率は5.40だ。
本拠地戦はマウンド上で涙をぬぐい、ベンチ裏に引きこもったところをベンチに戻された佐々木。球界最凶のフィリーズファンに怯んでしまえば両軍ファンからダメ出しされ、マイナー降板の危機がやってくる。ロッテ在籍時の「温室育成」に甘んじず、井口元監督に厳しいメジャー生活の教育を受けておけばよかったのに…。
(那須優子)