日本時間1月23日朝、ドジャースとマイナー契約を結んだ佐々木朗希(23)が、現地で会見を開いた。「〝ゼロからスタート〟と、身が引き締まる思いです。自分の定めた目標を信じて可能性を信じてくれる人たちのために前に進んでいきたい」と意気込みを語ったものの、周囲からは早々にシビアな目が向けられているようで‥‥。
ここ数年来、ロッテの本拠地ZOZOマリンスタジアムには複数のメジャー球団のスカウトが登板ごとに押しかけ、金の卵に熱視線を送ってきたが、「結局は〝出来レース〟だったね」とあるメジャー球団スカウトは苦笑いしながら語る。
「佐々木はWBCで共にプレーしたドジャース山本由伸(26)に心酔し、同じエージェントと契約しています。日本でのマネジメントも同じ大手代理店に託しており、23年にプライムビデオで独占配信されたWBC決勝の地、ローンデポ・パークへの事前訪問の密着も彼らをセットで囲い込んでいた代理店からの持ち込み企画だと聞いている。当然、関係者の間でも『ドジャースと密約しているのでは』との疑念がずっと拭えなかった。実際、昨年春には既成事実としてドジャース入団説が出回り、直後にはMLBが獲得予定選手や球団との過度な接触を禁止する通達を出している。これもドジャースがあからさまに佐々木サイドと接触して、家族まで籠絡しているとの情報をキャッチした他球団からの〝チクリ〟が機構を動かしたんです。とはいえ、万が一にもドジャースと決裂した場合に備えて各球団は最後まで佐々木を追い続けましたが‥‥」
22日にNHKで放送された「クローズアップ現代」では、マスコミ嫌いで知られる佐々木の独占密着取材が放送された。
「地元の岩手・大船渡での自主トレの様子や、渡米中に代理人事務所で面談した各球団の評価をホワイトボードに書いて移籍先を熟考する様子を撮らせていました。しかし、他球団との面談はすべてドジャースから許可を得て行われたもの。行く可能性のないチームから早々と行われ、交渉が公平に進んだというストーリーを作って、ドジャース入団の決定を先延ばしにしただけなんです。疑惑だらけの移籍先選びの隠れみのとして、公共放送もうまく使われてしまったようだ」(MLB関係者)
ロッテ時代、年間を通してローテを守り通したことはなく、球団が行使権限を有するポスティングについても我を押し通した「悪役イメージ」そのままに渡米したのである。結果、アテにしていた収入もガタ落ちしそうだという。
「25歳を待たずの挑戦でマイナー契約しか結べず、ロッテに支払われる譲渡金は約2億5000万円と微々たるものになってしまった。その補塡として、古巣とCM収入を折半するとの案があるのです。ドジャースは西海岸で日系企業も広告、CMを出稿しやすい球団なのですが、〝出来レース入団イメージ〟が暗い影を落としています。金に糸目を付けない仮想通貨系の企業からは有名人の佐々木に見境なく出演オファーが来ると思いますが、佐々木サイドが目論んでいた日系企業からのCMオファー増は厳しくなりそうです」(球界関係者)
華々しくメジャーの舞台に立ちたいはずだが、嵐の船出が予想されるばかり。それでもファンの後押しがあれば、状況が一変するだろうが‥‥。
「佐々木の生まれた岩手県民は近年、球界を席捲している地元のスターたちを応援してきました。地元紙は大谷翔平(30)がメジャーに渡ってからもカラーで詳報、号外や特別号も作り続けています。昨オフに総額97億円の3年契約でエンゼルスにFA移籍が決まった菊池雄星(33)も、税金対策込みとはいえ花巻市に世界最先端の全天候型複合野球施設『King of the Hill』を建設し、県内外の企業7社とさっそくスポンサー契約を結び県民から広く支持を得ています。対して佐々木は、ロッテ時代に地元紙の登板日の取材申請を拒否するなど冷遇したこともあり、故郷からの応援は決して芳しくない。ドジャース入団の経緯からして、米国の他地域では大ブーイングが飛ぶことも予想されます。早いタイミングで結果を出すことが求められるでしょう」(前出・球界関係者)
一方、同じタイミングでフィリーズとマイナー契約を結んだのは阪神からポスティングシステムで米球界を目指していた青柳晃洋(31)。こちらも前途多難のようで‥‥。
阪神ナインはもとより、球界には早くも今オフに〝上沢式FA〟で日本球界に出戻るとの見立てがあるという。
「岡田彰布前監督(67)、それを引き継いだ藤川球児監督(44)から戦力としての評価が低く、青柳自身は『ここに居場所はない。年俸が低くても俺は阪神を出る』と覚悟を決めていた。つまり、消極的なメジャー挑戦になります。右手サイドスローの日本人投手がメジャーで成功したのは、高津臣吾現ヤクルト監督(56)くらいです。それも鋭いシンカーを武器にできたからで、青柳のレベルではメジャー昇格は厳しいとされている」(阪神OB)
現実問題として、たった1年で日本球界に出戻る可能性も想定される。その場合、獲得に名乗りを上げる球団はあるのか。
「青柳は神奈川県出身でUターン就職を希望していたといいますから、DeNAが候補。横浜スタジアムとの相性もいいですからね。とはいえ球団の温情でポスティング移籍し、マイナー契約から大飛躍を遂げられずに1年で日本の他球団に入団となれば昨オフにソフトバンク入りして大炎上した上沢直之(30)の二の舞を演じてしまうかもしれない」(前出・阪神OB)
青柳に先んじて23年から阪神を飛び出しメジャー挑戦してきた藤浪晋太郎(30)は今季、4球団目のマリナーズとマイナー契約でスタート。いばらの道を歩き続けているようだ。
「昨オフのウインターリーグで奮闘していましたが、制球難という課題が残り、話が来るのはマイナー契約だけでした。一方でオフのSNSでは大喜利がファンに好評で『有名インスタグラマーに転身か!?』と阪神ナインからも揶揄されています」(前出・阪神OB)
締め切りギリギリで中日から同システムでナショナルズ入団が決まった小笠原慎之介(27)も含め、下馬評を覆す活躍に期待したい。