4月16日に中山競馬場で行われた3歳牡馬クラシックの第1弾「皐月賞」(芝2000メートル)を豪快な直線一気で制した、ソールオリエンス。他馬を横目に余裕で繰り出した差し脚は、まさに「格の違い」を見せつける鬼脚だった。
今年の3歳クラシック戦線の行方に注目してきたホースマンが指摘する。
「父キタサンブラック、母の父モティヴェーター、母の父の父モンジューという血統背景を持つソールオリエンスは、スピードの持続力とキレ、そしてスタミナを併せ持つ逸材。ただ、飛びの大きな馬だけに、重馬場で行われた皐月賞では、のめるような走りを見せていました。それでも直線では他馬を圧倒する脚色であっさりと完勝してみせたのだから、同世代における現時点での能力は、ズバ抜けていると言っていいでしょう」
そこで今、改めて注目されているのが、5月25日に東京競馬場で行われる「日本ダービー」(芝2400メートル)の行方である。
本サイトで4月10日に公開した記事では、3歳牝馬のクラシック第1弾「桜花賞」(阪神・芝1600メートル)を「異次元の鬼脚」で制したリバティアイランドに「オークスを回避してダービー制覇へ」との仰天プランが浮上していると伝えた。
事実、レース後、同馬を管理している中内田充正調教師は「今後、選択肢のひとつとしてはオークスもあります。オーナーサイドと相談して決めたいと思います」と、ダービー出走への可能性を口にしている。前出のホースマンが言う。
「10年に一度の怪物牝馬と言われるリバティアイランドがダービーに出走してくれば、リバティアイランドとソールオリエンスが雌雄を決する戦いになる。直線での叩き合いで、どちらの鬼脚が勝るのか。ぜひ良馬場での『世紀の対決』を見てみたいですよ」
その思いは、一般の競馬ファンとて同じ。リバティ陣営の「決断」に期待したい。