3月27日、阪神タイガースが藤浪晋太郎に次いで、伊藤隼太、長坂拳弥両選手も新型コロナウイルスに感染していることを公表した。球団が実名公表に踏み切ったのは、一般ファンへの感染に対する注意の喚起という意味はもちろんあるが、“他球団への感染防止の協力要請”でもあった。
「藤浪が『PCR検査が必要』と判断された3月25日時点で、彼と濃厚接触した自軍選手の名前を球団は把握していました。この時点で阪神は他球団、NPBにも報告しています」(球界関係者)
3人は3月14日のオリックス戦後、ほかの4選手を含む12人で知人宅に向かい、食事をしたという。その後、長坂は風邪の症状を見せたため、数日間は自宅療養していたが、伊藤は20日から22日まで行われた中日二軍との練習試合に出場。23日は鳴尾浜の二軍施設で他選手と一緒に練習し、翌24日からの25日までのソフトバンク戦にも出場している。そのため、阪神は複数のチームに状況を説明し、その迅速な対応に各球団は敬意を表していたが、プロ野球界は“二次感染”の確認を避けられなくなってしまった。
「新型ウイルスに感染しているかどうかを確かめるには、PCR検査をしなければなりません。藤浪たちが招かれた会食には、ほかの選手も参加しています。選手、スタッフなど球界からの感染者がまた公表されるかもしれません」(新聞記者)
不要な混乱を起こさないための実名公表であり、その意味でも、阪神を支持する声は多い。今後、他球団もPCR検査の実施を検討していくことになるのだろうが、4月24日の開幕はまた厳しくなったようだ。
(スポーツライター・飯山満)