さて、パ・リーグに目を移すと、投手、野手ともに圧倒的戦力を持つソフトバンクの優位は動かないという予想が並ぶ。
「間違いなく、ぬきんでた強さを誇りますね。唯一の不安材料があるとすれば、工藤公康新監督(51)がコーチ経験のないまま初めて采配を振るうことでしょうか。ヘッドコーチを置いていないですから、投手、野手ともにコーチ陣と密に連携を取れるか。それでもBクラスに落ちるということは考えられませんね」(野村氏)
しかし、肝心の首脳陣の連携について、球界OBは不安を指摘する。
「工藤監督は各担当コーチを飛び越えて、選手に直接指導したがりますからね。そもそも、佐藤義則(60)、吉井理人(49)の両投手コーチをはじめ、組閣は監督の意向ではなくフロント主導で行われた。だから、空中分解を危惧する声は前々から出ていたんですけど、現在、すでに一枚岩になれているとは言えない。実はOBの城島健司氏にもオファーを出したものの、そうした不安から入閣を断られたとも言われています」
今季からヤフオクドームはラッキーゾーンを新設。自慢の打線がホームランを量産するだろう。多少のほころびがあったほうがペナントは盛り上がるはずだ。
昨季、ギリギリまでソフトバンクを追い詰めたオリックスは、ブランコ(34)、バリントン、中島裕之(32)、小谷野栄一(34)と大補強に成功。パの2強を形成する布陣だ。
ただし、さらなる上位を目指すには不安も付きまとう。
「これまでエース・金子には右腕、肘の故障が付きまとい、何度も離脱をしてきました。それでも、ここ2年はフルでローテを守ってきた。それだけに、昨オフに受けた右肘手術の具合が気がかりです。開幕戦も回避しましたしね。一昨年の日本一からマー君が抜けるや、昨年、最下位に転落した楽天のように、金子がコケたら優勝は難しいだろうと思います」(伊原氏)