黒田博樹(40)の復帰で盛り上がる広島には、2位予想が集中した。
伊原春樹氏が言う。
「黒田の勝ち星自体は1年で10勝かもしれません。それでも彼の言動や投げる姿だけでチームは底上げされるでしょう。バッターに対して逃げず、動くボールとはいえストライクをポンポン取って“打てるものなら打ってみろ”という姿勢が若いピッチャーたちの潜在力を伸ばしますよ」
一方で江本氏は、巨人を追ううえで広島に足りない要素は黒田だけでは埋まらないと分析する。
「黒田がバリバリに勝ちまくることを期待してはいけませんよね。5~6回を2~3点に抑えて勝てればいい。負ける場合もある。そうした場合、昨年9勝したバリントン(34)=現オリックス=の穴を埋めるだけですよ。では、ミコライオ(30)=現楽天=の25セーブはどうやって埋めるか。昨年までの勢いでムードはいいですし、交流戦で失速する傾向の強かった広島にとって、交流戦の試合数が減ったことは好材料です。それでも1位まで上り詰める上積みが見えないですね」
阪神も同様だという。
「去年はゴメス(30)、マートン(33)、メッセンジャー(33)、呉昇桓(32)の助っ人がそれぞれタイトルを獲得した“4冠”のおかげで2位だった。今年も4冠ならAクラスでしょう。でも、4人がそろって前年どおり活躍するなど、そううまくはいきませんよ。結局、広島も阪神も昨年は調子の悪かった巨人に7ゲーム以上の差をつけられたのに、その差が解消されていませんよね」(江本氏)
中日は浅尾拓也(30)や吉見一起(30)、ヤクルトの場合は由規(25)や館山昌平(34)らの復調が躍進の鍵となるが、いずれも不確定要素が強く、計算しづらい。