一方、キャンプの半ばから合流した広島・黒田博樹(40)の評判は上々である。球団関係者が言う。
「ブルペンに入っただけで、投球を受けた正捕手候補の會澤翼(26)もインコースに決まるツーシームの精度に感激していた。投手陣からも『勝てるピッチャーというのはこういうことか』との声が上がっていますね」
黒田フィーバーの経済効果は52億超えとも言われるが、ファンもマスコミも黒田ばかりを追いかける。2月21日には巨人vs広島のオープン戦が沖縄・那覇で行われたが、黒田がコザに残って練習をすれば、緒方孝市監督(46)の初陣だったにもかかわらず、報道陣はコザのほうが多かったのだ。当然、松坂同様、黒田も特別扱いである。
「臨時で専属広報をつけて、移動中のぶら下がり取材を徹底して禁止しています。練習メニューもマイペース調整が許されている。もちろん他の選手たちに交じることもありますが、自己判断で早めに切り上げることも許可されています」(スポーツ紙デスク)
だからといって黒田に不平を漏らす選手はいないようだが、身辺を過剰に守ろうと右往左往する球団に対しては冷ややかな目も向いているという。また、取り越し苦労で終わればよいが、こんな危惧も──。
「若手らは黒田を神のようにあがめて調整法をマネしようとしているんです。でも、黒田はメジャー流というか、球数の多い投げ込みはしないし、シーズンを通してウエートトレをやってきた。もし、これがチームに浸透すれば、これまでの広島の投手育成法とは逆行します。発展途中の若手に投げ込み不足やウエートのデメリットが出ないか、首脳陣は心配している」(スポーツライター)