一昨年オフに片岡治大(31)をFAで獲られた、西武が巨人を交流戦よりも、別の意味で異常警戒しているという。
「西武は13年オフ、中村剛也(31)と4年総額20億円(推定、以下同)、岸孝之(30)とは3年総額12億円という大型契約をしました。それはFAの際に移籍する意思があるかどうか、原巨人が執拗に調査していて、その危機感からガードに動いたんです。しかし、巨人は主力強奪の動きを活発化させているというんです」(スポーツ紙デスク)
次なる標的はなんと、今季不動のDHとして、打率3割1分9厘、9本塁打、27打点(5月22日現在、以下同)と打棒を爆発させている森友哉(19)だというのだ。高卒2年目の森がFA権を取得するのは、まだまだ先の話だが、それだけに西武としてみれば不気味に映るのだろう。
「森が捕手として尊敬するのは巨人の阿部慎之助(36)で、背番号が『10』なのも、期待する球団の誠意と言われました。そんな森に原巨人は、接触しているというんです。まだ新人だった昨年のキャンプ中、関係者を通じて一面識もない阿部からバットやキャッチャーミットを贈らせて激励している。“囲い込み”か、と西武が戦々恐々とするのも当然でしょう」(球界関係者)
そんな森は交流戦のセ本拠地試合出場に向けて、外野の守備練習を開始。浅村栄斗(24)、中村とともに、大阪桐蔭出身の西武主砲としてセの投手陣に襲いかかるだろう。指をくわえてこの状況を見ていると言われるのが阪神である。
「森は13年のドラフト前、地元でもある阪神入りを希望しているとされ、大阪桐蔭でバッテリーを組んだ先輩・藤浪晋太郎(21)についても『阪神でバッテリーを組めたら最高です』と話していた。2人は母親同士がメル友です。現在、森の活躍を見ている阪神の球団内からは『獲れたんやないか』との声が漏れています。でも、一昨年のドラフト前には『藤浪のオマケだろう』との声が聞かれていた」(スポーツライター)
13年ドラフトで阪神はドラフト1位で投手補強に動き、大瀬良大地(23)=現広島=、柿田裕太(22)=現DeNA=を抽選で外したあげく岩貞祐太(23)を獲得している。
スポーツ紙デスクが語る。
「当時、西武も当然ながら阪神が森を1位指名してくると思っていた。ところが『森は外れ1位候補らしい』という阪神の情報が漏れ伝わり、西武は単独指名に切り替えたんです。現在、阪神の中では『獲っていても首脳陣が育てられないから、あそこまで育っていたかどうか』との声も出ていますが、慢性的な捕手難を抱える阪神にとって、目の前で森に活躍されたら編成のミスを痛感させられ、西武は高笑いするでしょう。とはいえ、高校時代の森は『どこのファン?』と聞かれると『壇蜜のファン』と答えるなど、意中の球団はなかったとの話もある」
絡み合う森への複雑な思惑。しかし、本人は気にすることなく、いまの打棒を交流戦でも爆発させて欲しい。