6月3日の中日戦、西武の森友哉(19)が今季10、11号と1試合で2発をブチこんだ。その結果、掛布雅之、清原和博、松井秀喜、大谷翔平に次いで5人目の偉業となる、高卒2年目での2桁本塁打を達成した。交流戦直前から打撃が少し湿り始め、DH出場のないセ・リーグ本拠地試合に向けた外野守備の練習が影響しているとも思われたが‥‥。
「いや、外野の守備には何のプレッシャーも感じていなかった。口笛を吹きながら守っていたほどです。そもそも森は配球を読まず、来た球を打つタイプ。なのに、見せ球のインハイの直球を振り抜き、続く外角変化球も当てにいきます。“内角を見せる”という投球の構造を理解していないのでセオリーは通用せず、反応だけで打ちにいってしとめてしまう。打撃が不調になったのは、対戦していけば相手もプロですからね」(スポーツライター)
公称170センチ、80キロ。プロ球界では小柄でずんぐり体型だが、腰の強さを原動力とするバッティングセンスは天性のものだ。しかし、本職のはずの捕手の評価が一向に上がらないのである。他球団の関係者が語る。
「バッティングでは配球を読まないで打つという話ですが、そもそも配球理論がない。配球を読めないんですよ。つまりキャッチャーとしてもピッチャーと配球を話し合うことができないし、複雑なサインも覚えられない。オマケに先輩投手にタメ口では‥‥。にもかかわらず自分からキャッチャーの練習をしようとはしませんね。DHのほうが楽だからやりたいようです」
とはいっても、中村やメヒアなど故障持ちの先輩を守らせ続けて、19歳に特権を与えてベンチにドカッと座らせていれば、のちのち火種となる可能性も否めないだろう。
「才能だけでプレーして、大阪桐蔭の先輩である中田翔の2年目より抜けているのは確か。当時の中田は2ストライク取られたら終わりでしたからね。それでも中田は努力して実力を開花させました。あふれる才能を持つ森も、放っておけば短命で終わってしまう可能性があると心配する関係者は多い」(他球団関係者)
ところで、先に登場した、森が先輩にタメ口をきくとの話は聞き捨てならない。
大阪桐蔭は先輩後輩の垣根をなくしたことで、若い才能を潰さず育ててきたと言われる。ところが森は、その伝統で伸び伸び育ちすぎてしまったようだ。
西武担当記者が明かす。
「チームメイトの捕手・岡田は大阪桐蔭出身で中田と同級生。森にとっては大先輩です。二軍戦に出場する際、森は岡田の車に乗せてもらって移動していますが、その岡田に向かって『はよせいや!』とか『そんなんやったら荷物持ってってやらへんで』とタメ口でどなりつけていた。同じく大阪桐蔭の先輩、阪神・藤浪にもタメ口です。オープン戦で藤浪と会っても『今日、投げるんやろ』。また、スポーツ紙で2人が対談した際、森が対談会場に先に到着していた。藤浪が現れると『おう、重役出勤やな』と言い放ったそうです。でもあれだけ打っているので、チーム内でタメ口キャラも受け入れられていますけどね」
森の場合はプロ入り前からヤンチャぶりを発揮してきた。ネット上には、特攻服を着た暴走族時代の写真も流出しているのだ。
「森自身もその写真流出に関して『一生消えへんからしかたないですわ』と認めています。とはいえ、入団1年目に大阪桐蔭の大先輩・中村と面会して『おう、特攻服着て来んのか』と問いかけられた時には、さすがにテレくさそうにしていましたね。ただし、まだ本性は出していない。昨年、いきなり茶髪にしましたが、本当は金髪にしたいそうです。今年も結果を残せば来年には‥‥」(球団関係者)
森が憧れる金髪といえば、過去に結果を残してきた先輩・中田が思い浮かぶ。わがままを通すなら、残りの試合も現在の打撃を維持するしかない。