6月3日に放送された音楽番組「水曜歌謡祭」(フジテレビ系)の平均視聴率が3.8%だったことがわかった。同番組はMCに森高千里とアンジャッシュ渡部建を据え、今年の4月から放送を開始。初回視聴率は7.3%だったものの、回を重ねるごとに数字は右肩下がりとなっている。
「3日の放送ではプライベートでも仲のいい藤井フミヤ、木梨憲武、ヒロミらが外でバーベーキューをするという、音楽とはなんら関係ない企画に多くの時間が割かれていました。純粋な音楽番組を見たい視聴者にとって、昭和のノリでバーベーキューを楽しむ芸能人を見せられるのは苦痛だったため、チャンネルを変えられたのでしょう。『水曜歌謡祭』は最近、テコ入れでバラエティ要素を強めていますが完全に裏目に出ています」(テレビ誌記者)
この番組の元となる「FNS歌謡際」は、きくち伸氏がプロデューサーを務めていた時代は毎年20%近くの高視聴率を連発していた。また彼の出世作「LOVE LOVEあいしてる」では、当時、若者に人気のKinKi Kidsと、熟年層に支持がある吉田拓郎をMCに起用し、ライブでは本格的な生演奏取り入れるという緻密な構成で番組を成功へと導いている。しかし、そんなフジの音楽番組の立役者が現在は不在だと関係者は話す。
「今、フジテレビの音楽番組が低迷しているのは、きくちPの不在が大きいと言われています。彼が手がけていた時の『FNS歌謡祭』は、『LOVE LOVEあいしてる』から引き継いだ口パクを禁止し、生歌・生演奏で魅せるという攻めのスタイルが番組に緊張感を与え、多くの視聴者から支持されました。しかし彼は2014年以降、音楽番組から外されたことで、その年の『FNS歌謡祭』は保守的な作りになった。結果、視聴率は最低記録となり、残ったスタッフによって作られた『水曜歌謡祭』も時代錯誤なセンスで大失敗。今まで真摯に音楽番組に取り組んできたきくちPを戻さない限り、フジの音楽番組の復活は厳しいでしょう」(業界関係者)
このまま視聴率が下がれば、大物歌手も出演を避けるようになり、悪循環を招く可能性もある。「水曜歌謡祭」の打ち切りの日は近いかもしれない。