大ヒット公開中の映画「新宿スワン」。現在、客引きやスカウト行為は条例で禁止されているが、新宿アルタ前や渋谷スクランブル交差点で「スカウトマン」に声をかけられた女性は少なくないだろう。
「かわいいね。お仕事探してない?」「君なら時給8000円は出るよ」というお決まりの誘い文句の他に、「ねえ、飴食べない?」「一目惚れしちゃったんだけど連絡先教えてくれない?」など、ナンパのように声をかけているスカウトマンも珍しくない。彼らの中には漫画「新宿スワン」を読み“幸せ請負人”になろうと決意した者も多いだろう。
年々条例が厳しくなり、この不景気の中、実際のスカウトマンたちはどのように活動しているのか。歌舞伎町のスカウトマンが話す。
「条例は厳しくなってはいますけど、今も昔と変わらず街頭でキャッチしてますね。昔と変わったのは名刺を作らなくなったことくらいかな。昔はバンバン名刺配っていたけど、個人情報が記載された名刺を路上にポイ捨てする女の子が多くて、警察から連絡がきちゃうんです。えっ、稼ぎですか? 今はスカウトのリスクが高くなったぶん人数が減ったので、昔とそう変わりませんね」
収入については個人差があり、月30万ぐらいの人もいれば幹部クラスで200万円以上という人も。しかし、そうした幹部クラスの人は自バラの経費もハンパではなく、女の子と打ち合わせする際のご飯代や交通費他で、月に50万円以上と高額。実際、売れっ子の女の子が「お店を辞めたい」なんて言い始めた時には、電話やメール、直接会ってメンタルケアをすることも仕事の一つなのだ。
公開初日に、綾野剛や園監督らが映画のRPを兼ねて歌舞伎町の清掃活動をしていたが、会社(店)によっては企業イメージ向上のため、地域の美化活動をしているところも少なくない。今後、東京オリンピックへ向けて、歌舞伎町も色々な意味でますます浄化されていくのだろう。日本最大の歓楽街から“怪しい匂い”が薄れていくのは、少し寂しい気もするが‥‥。