2000年10月に当時、新人アナだった千野志麻アナ(37)を起用して産声を上げた、フジテレビの深夜放送トーク番組「○○パン」シリーズ。
経験ゼロの段階からキャリアを積ませるというコンセプトのもと、期待の新人だけが任される“登竜門”としての役割を担ってきた。女子アナウオッチャーの丸山大次郎氏が語る。
「新人の冠番組自体が珍しかったのですが、千野アナは短いスカートにノースリーブ衣装で、座り方も夜のお店っぽくて、これまでにない演出で攻めてきた印象があります。賛否の声はありましたが、このあたりから女子アナのタレント化が進行。放送開始前年に入社した内田恭子らも注目されるようになり、“女子アナブーム”のターニングポイントになりました」
そんな「○○パン」シリーズは9代目の永島優美アナ(23)が司会を務めていた、4月3日放送の「ユミパン卒業SP」以降放送されていない。次なる美女アナの原石は誰かと期待が寄せられる一方、シリーズ自体が消滅するとも言われている。フジ関係者がその理由を明かす。
「永島は見た目もいいし、明るいキャラクターなので期待されていたのですが、視聴率は1%台と低迷しました。番組が視聴者に飽きられただけではなく、局内の会議では2年前から『○○パン』シリーズでアナウンサーが育っていないことが問題視されていたのです」
フジの亀山千広社長は4月改編のコンセプトに「LIFE is LIVE」を掲げ、生放送の番組を増やしたが、そこで問題が表面化した。「生」を任せられるのが3代目の生野陽子アナ(31)しかいないという声が現場から上がり、これ以上シリーズを続ける意味がないと判断されたのだ。
最後はやっかい払いされた番組だが、新人女子アナの顔とキャラクターを売るのに貢献しただけではなく、数々の名場面を残してきた。中でも輝きを放ったのは、4代目の加藤綾子アナ(30)だ。丸山氏が絶賛する。
「新人時代からスター性があり、視聴者を引き付ける魅力がありました。俳優の高橋克実さんがゲストの回で、トランプに書かれた質問に必ず答えるゲームをすると、カトパンは『最近、いつした?』というカードを引きました。下ネタを連想させる質問に戸惑っていながらも、ジッと高橋さんの目を見つめて、『昨日です』と返答したのです。まさか女子アナが前日にした夜の営みを暴露かと思いきや、『洗濯物ですよ』とすぐにフォロー。その小悪魔な駆け引きにグッと心をワシづかみされました」
笑福亭鶴光がゲストの時には、下ネタ的な「なぞなぞ」にも挑戦。
「人によってはねちっこかったり、淡泊だったり、強引に口で攻めまくる行為。はじめが『セ』で、最後が『ス』これなぁんだ?」
鶴光に出題されると、そのままの通りを思い浮かべたのか、「えー」と赤面する加藤アナ。たたみかけるように鶴光が腰を振ると、両手で顔を押さえてうずくまり、
「言えないです、言えないです」
と連呼するも、「言えー」と攻められて涙目を浮かべたのだった。