大相撲の元大関・貴ノ浪の音羽山親方が6月20日、急性心不全のため死去した。享年43。心不全で急逝する力士は多いが、その大きな原因がメタボだという。メタボといえば力士の代名詞のようなものだが、心不全のリスクは非常に高いのだ。しかし力士の食生活にもなじみの深い、メタボ解消に抜群の効果のある食品があった。
貴ノ浪は現役時代から心臓に疾患があり、入院歴もあり摂生していたというが2012年には田子ノ浦親方(元幕内・久島海)も心不全で46歳の若さで亡くなっている。
東北大学大学院医学系研究科・東北大学病院の下川宏明教授らのグループの研究によれば、「わが国の慢性心不全患者のメタボの頻度は一般人口の2倍以上」(報道機関配布資料)」だという。
厚生労働省が指針としているBMI指数(体重÷身長÷身長)=体重をキログラム、身長をメートルで計算=で25以上は肥満とされている。ちなみに身長196センチ、体重160キロの貴ノ浪のBMIは41.6もあった。
メタボ解消のために筋肉を増やすには、その素となるたんぱく質が必要。実は力士の食事は理想のダイエット食なのという。栄養管理士の川田洋子さんは言う。
「魚や肉や野菜などをごった煮にしたちゃんこ鍋は、体脂肪を減らしつつ筋肉をつけるには理想的な料理。たんぱく質の量は抜群です」
そして、ちゃんこの具として定番の豆腐がすごいのだ。
「豆腐は高たんぱく低カロリー。大豆レシチンは、コレステロールや中性脂肪を減らし、ムダな体脂肪を落とす。また、大豆サポニンもコレステロールの吸収を抑えて分解する働きがあるうえ、脂質やタンパク質、炭水化物の代謝に欠かせないビタミンB群も含まれており、食べ物としてとり込んだ脂肪をため込みにくくするのでダイエットに効果を発揮する」(川田さん)
さらに、同じ豆腐でも木綿豆腐はさらにダイエット効果が高いという。
「たんぱく質やカルシウムが絹ごし豆腐より20~30%多く糖質量も少ないため、絹ごし豆腐よりも脂肪がつきにくい」(川田さん)
木綿豆腐をふんだんに使った適量のちゃんこ鍋を食べ、そこに適度な運動を習慣化すれば、メタボ解消は近いはずだ。
(谷川渓)