本格的な夏が到来、海水浴の季節だが、海水浴といえば思い出すのが、スイカ割りとともに、砂浜を掘って、中に体を埋めて遊んだ子ども時代の記憶ではないか。しかしこの砂に埋まる行為が、体の代謝をよくし、体質を改善。体力を向上させ、メタボ対策、精力増強にも絶大な効果があるという。
砂浴とは海岸に掘った穴に首まで埋まり3時間を過ごすという健康法。3時間の間に体に溜まった毒が排出され、冬には風邪知らずになるほか、ダイエット効果も高いという。自然療法研究家の東城百合子さんは、著書「自然療法」(あなたと健康社)で砂浴健康法の効能をこんなふうに記している。
〈砂の中に首だけ出して、ただ入っているだけで、体内から猛烈な毒素が出て体調が抜群によくなる。砂の中にしばらく入っていると皮膚からものすごく臭いガスが発散される。入る時間は長い程よく、朝8時頃から夕方4時頃まで8時間くらい入ると、相当の効果がある〉
この「臭いガス」については渡辺医院・渡辺完爾院長もこう言う。
「西式健康法では人体から発散するガス体は13種類あるとされています」
肩コリや腰痛はもとより、人によっては医者に余命宣告された病気まで治った例もあるというのだ。
やり方はいたって簡単。ビーチパラソルなどで日よけをし、自分の体の厚みより少し深く掘って頭の方を高くして、お尻が当たるところを少し深く掘ってがに股のように足を曲げて開き、手はくの字にまげてゆったりと置き、上から砂をかけじっとしているだけ。
〈初めての方は、入っているうちにかゆくなってきて苦しくなるが、これは砂が毒素を吸い出そうとして新陳代謝が猛然とよくなってくるため。健康な人はスムーズに毒素が出てくれるので自然に気持ちよくなり眠くなる〉(前掲書)
最初は1時間ほどから始めるといいそうで、音楽を聴きながら自然の風に当たっているだけでもリフレッシュし、効果がさらに高まる。そして病気を持っている人には、一時的に体がだるくなったりすることもあるというが、砂浴を続けていると消えてしまうそうだ。
〈どんな病気の人でも副作用というものはなく非常に安全な療法。年に1回毒出しをしておくと、すばらしい健康体になる〉(前掲書)
結果、メタボも解消し、精力も高まるというわけである。
海水浴に行った際にはぜひ実行したいものだが、関心のある方はには、ぜひ一読をお勧めしたい。この本は昭和53年の初版出版以来、昨年末までに960版を重ねている大ベストセラー本でもあるのだ。
(谷川渓)