今“ガリ”ダイエットが流行っているという。ガリとは、言わずと知れた生姜を薄く切って甘酢漬けにしたもの。このガリに驚くべきパワーがあったのだ。
「メタボリックシンドロームを解消するためには内臓脂肪を減らすことです」(江田クリニック・江田正院長)
その内臓脂肪を減らすためには有酸素運動が有効だとばかりに、運動に取り組むのだが続かないケースは多い。結果、ウエストはさらにアップする。そんな向きに簡単に内臓脂肪を減らす食べ物があった。それが“ガリ”、すなわち生姜なのだと言う。フードコンサルタントの萩原千恵管理栄養士が説明する。
「生姜の主成分であるジンゲロールを加熱したり乾燥すると生成されるのがジンゲロン。ジンゲロンには脂肪燃焼の促進作用がある」
このことを裏付けるようなオーストラリアのシドニー大学薬学部のNammi氏らによる研究もある。一部抜粋すると──。
〈肥満(内臓脂肪)が気になる人、中性脂肪や総コレステロールないしLDLコレステロールが高めの人、糖尿病が心配な人は、日常の食事に生姜を取り入れれば、メタボの予防や改善にかなり効果的〉
人は加齢とともに体温が下がる。体温が下がると代謝が落ちる。すると労働や運動で使われるエネルギーが少なくなるので、カロリーを体内に蓄えやすくなる。つまり脂肪が燃焼しにくくなる。少ししか食べなくても太ったり、また、運動してもやせにくい体になる。
「体温が上がれば新陳代謝は高まる。体温が1℃上がると基礎代謝は12~13%上がる」(江田氏)
そして、
「体を温めるための食べ物のナンバーワンは生姜」(萩原さん)だというのだ。さらに前出の萩原さんがこう続ける。
「酢の主成分である酢酸(クエン酸)にダイエット効果がある。黒酢だと、それに含まれるアミノ酸によりさらにダイエット効果が高まります。生姜と酢のガリはおいしいし、ダイエット効果も高いんです」
その自家製ガリの作り方を紹介しよう。材料は新生姜500g。酢(できれば黒酢)200cc。塩小さじ1。砂糖(できれば黒糖)50~70g。酢と砂糖を合わせて鍋に入れ火にかけ、砂糖と塩が溶けたらすぐに火を止め冷ます。生姜は皮を薄くむいて薄切りにし、ザルに入れ塩をふり、熱湯をかける。その生姜の水気を切って甘酢につける。これで出来上がり。すぐに食べられるが一晩以上おくとさらにおいしくなる。
「自分で作ったガリは市販品よりはるかにおいしい。そして健康効果、ダイエット効果も高い」(萩原さん)
聞いているだけでつばが出てきそうだ。
(谷川渓)