西に目を向けると、リーグ戦再開2日前の6月18日、甲子園での練習後のグラウンドで阪神・マートン(33)が突然、オマリー打撃コーチ補佐を相手に、怒濤のごとくしゃべり始めた。そこに和田豊監督(52)が近づいていく──。球団関係者がその時の状況を説明する。
「マートンは基本的に寂しがりや。自分の練習が終わったら誰かに話を聞いてほしいんですよ。まぁ聞いてくれ、と2時間弱、グラウンドで一方的にしゃべり続けていました。地面にホームベースを書いて『そこの球は‥‥』と言いながらインコースをバットスイングしてみたり。打球が正面を突くとかストライクゾーンがどうとかも。マートンは今季、ストライクゾーンが広がったことに非常に敏感に反応し、ナーバスになっていて、それが打率が上がらない原因だとも。自分はこう考えているんだ、ということを話したいんです。和田監督はそれをじっと聞いて、ひと言『頑張れ』と‥‥」
甲子園では今、ファンの見学ツアーを実施しており、「ここでヒーローインタビューをします」などと舞台裏を公開、解説している。
「この日、三塁側ベンチを公開したら、たまたまマートンが激論を繰り広げていてツアー客はもの珍しそうに、独演会の様子をバシバシ写真撮影していました(笑)」(阪神担当記者)
思わぬファンサービスにはなったようである。
一方で問題視されているのが、和田監督の「新聞采配」だという。
「スポーツ紙全紙に目を通し、各評論家のコラムを非常に気にしています。例えば、ある特定の評論家の意見を終始一貫参考にするのならわかりますが、その時その時で、どの評論家の意見を取り入れるかが違う。ある評論家に厳しく書かれると、試合で同じ場面になったら、次は厳しく書かれないような采配をする、という感じです」(在阪スポーツメディア関係者)
打率、得点、失点、本塁打、盗塁、防御率の全てがリーグ最下位の数字なのに、6月25日にはなんと首位に立った。大混セならではのもつれ具合でボロが目立たずに済んでいるのかも。