9月の勝負どころでまさかの6連敗──。優勝争いから大きく後退し、よもやのBクラス転落危機まで見えてきた阪神の周辺が騒がしい。和田豊監督(52)の去就が注目を集める中、早くも次期監督候補の名前が次々とあがったのだ。
ペナントレースも大詰めを迎え、2位につけていた阪神が首位・巨人をまだ猛追していた8月下旬、来季について「和田監督続投」との報道が出た。南信男球団社長(59)による「それが基本方針」とのコメントも紹介されたのである。
「ところが、一部ナインの中からは『何だよ!』との声が飛び出していたんです。消極的な采配面を中心に、一部選手はすでに監督から心が離れていましたからね。仮にも優勝争いをしているにもかかわらず、オフの大型補強ばかりが次々と報じられる始末。それと並行して成績はガタガタになっていった」(スポーツ紙デスク)
急失速中の9月9日、人事の決定権を持つと言われる、坂井信也オーナー(66)が大一番の巨人3連戦の初戦を観戦したのだが‥‥。
「4回には8点差に広げられるという惨敗ゲームでした。試合後、球場の外に出るや坂井オーナーはファンに『この金満オーナー!』と罵声を浴びせられました。巨額の投資でメジャーから福留や西岡らをかき集めておいて、この体たらくは何だ、ということです。甲子園では、球場正面出入り口から通路を通って車に乗るまで、歩きながらファンの目に触れます。歴代オーナーはこの20メートルの間に心変わりをすることが多々あった。この時、坂井オーナーは憮然とした表情で車に乗り込みましたが、これが応えて心変わりをしたようです」(スポーツライター)
9月12日には、日刊スポーツに和田監督の「続投白紙」が報じられたのである。そして、今後の成績しだいではもちろん続投の目は残されているとしたものの、次期監督候補として、元監督の岡田彰布氏(56)や、OBで03年、05年の優勝メンバーの金本知憲氏(46)、矢野耀大氏(45)らの名前までが浮上したのだ。
とはいえ、金本氏や矢野氏はコーチ経験すらない。
「矢野氏に関しては、引退以後、阪神からコーチ就任要請が何度かあったそうです。ところが本人はこれを引き受けなかった。コーチをやるなら勝てるチームでやりたいでしょう。どうやら真弓政権、和田政権に仕えるのは理想的でないと考えたようです。そんな矢野氏が今シーズン半ばから、『評論家は今年で最後にする』と周囲に漏らしている。どうやらチームを強化させる新監督への移行を条件とし、ついにコーチ就任を受諾する模様なのです」(トラ番記者)
くしくも、和田監督の「続投条件」について「コーチ陣の刷新」という報道も出たばかりだ。続投となれば矢野氏の入閣にも影響するかもしれないが、いずれにせよ「矢野監督」抜擢という話はまだ早いようだ。
一方、金本氏ならいきなりの監督就任も許されるのだろうか。
「球団内外で金本氏待望論が出ているのは確かです。ただし、本人は現役時代に総額8億円と言われる詐欺被害を受け、いまだに金銭面で苦労している。阪神球団とはスポンサーの口利きなど、副業で良好な関係を維持しているようですが、実は監督就任して得られる年俸よりもそうしたビジネスのほうが実入りがいいようです。広島にも顔が利く金本氏は、広島球団ともビジネスでタッグを組もうとしているといいます。現在の立場を放棄する様子はなく、監督就任報道には『何で俺やねん』と笑ってますね」(スポーツライター)
また、矢野氏や金本氏が監督となれば世代交代が一気に進行する。そうなれば、打撃コーディネーターとして評価を高め、やはり待望論が巻き起こっている掛布雅之氏(59)の将来的な監督就任という可能性すら消滅しかねないのだ。
「一説には、平田勝男二軍監督(55)の昇格案もあるそうです。戦力を把握しているという意味ではいい選択かもしれませんが、いかんせん地味でしょう。というのも、監督交代を検討している裏には、和田政権で落ち込んだ観客動員力も求められているんです。そうなるともう1人に絞られる。最有力は05年に阪神を最後の優勝に導いた岡田元監督でしょう」(スポーツ紙デスク)
何より、岡田氏は復帰に意欲を見せているという。