DeNAのように不気味なのではなく、球団関係者をして「意外だ」と言わしめるのが中日である。
「とにかく戦力がないですから。先発陣を見て、岩田慎司(28)、鈴木翔太(20)、若松駿太(20)って誰だろうって思いませんか、中日ファン以外は。ルナ(35)や平田良介(27)、2000安打を達成した和田一浩(43)らが打撃好調なだけで、ヘタをすると1弱になってもおかしくないのに、よく踏みとどまっている。混セの中にいるだけでいいですよ。ナゴヤドームに客は入らないし、谷繁元信監督(44)も『この戦力で気の毒だ』と同情を買っています」
巨人は6月10日、日本ハムに矢野謙次(34)、須永英輝(29)を放出する2対2の交換トレードを成立させると、阪神も17日にBCリーグ石川から新外国人ペレス(27)獲得を発表。広島とヤクルトもそれぞれ、シアーホルツ(31)、デニング(26)という助っ人を補強した。DeNAは大リーグ、メッツ傘下3Aの左腕をリストアップしている。スポーツ紙デスクが嘆く。
「なのに中日だけは何も動きがなく、他球団から『勝つ気がないのかな』と失笑を買っている。さすがに球団内からも『(落合博満)GMは何をやっているのか』との声が上がっています」
右膝半月板損傷で手術を受けた昨年の本塁打王・エルドレッド(34)が復帰した広島は後半戦の勝負に向け、戦力が整ってきた。ところが、
「緒方孝市監督(46)の評判が芳しくありません。判で押したように、初回からバントをさせたりしますが、それが成果を出しているとは言えない。初回、先頭打者が出塁すると、すかさず昨年3割2分5厘でリーグ2位の打撃成績だった菊池涼介(25)にバントのサイン。初回から『えーっ!?』と思うじゃないですか」(前出・スポーツ紙デスク)
主砲・畠山和洋(32)が本塁打王争いを展開中のヤクルトでは、真中満監督(44)が、「流行」に乗って奮闘中だ。いったい何のことか。スポーツライターが言う。
「映画『ビリギャル』が大ヒット中ですが、その原作本を交流戦中に読み始めたんです」
「学年ビリのギャルが1年で偏差値を40上げて慶應大学に現役合格した話」という長いタイトルの本だ。スポーツライターが続ける。
「その内容にえらく納得したようで、報道陣や選手たちにも『ビリギャル、読んだ?』『お前らも読め』と勧めています(笑)。『(昨年の)ビリから巻き返す気持ちを勉強したい。野球界のビリギャルになる。偏差値30からの優勝だ』と言っているようですが」
原作本のごとく、諦めない精神で大混セを抜け出し、思惑どおり「ビリギャル監督」になれるか‥‥。