しかし、その後も百田氏は炎上した自身のツイッター上でさらに、
〈私が本当につぶれてほしいと思っているのは、朝日新聞と毎日新聞と東京新聞です(^_^;)〉
と、絵文字入りの冗談とも本気ともつかない発言を続けている。こんな、百田氏のどこか理解しがたい姿勢に業を煮やすのが「同血社」会長の河原博史氏だ。河原氏が言う。
「百田氏は小説家になる前にはテレビのバラエティ番組で放送作家をしていた。だから、こうした発言は世間を騒がせようとして言っているだけにすぎないんじゃないですか。テレビ番組ならまだしも、政権与党と密接な関係を持つ中でこうした奇をてらっただけの軽率な発言を繰り返していては、国政が混乱するだけだ。自民党はこうしたヤカラと国論を語るべきではない。勉強会にこんな人物を招いたのは明らかに自民党の人選ミスだ」
「二十一世紀書院」代表の蜷川正大氏も百田氏は作家の地位を利用しているにすぎないと看破する。
「テレビの仕事をしてきた人だから、何をすればウケるか、どこが落としどころかということがわかっている。学者なら言葉を濁すところでも、自然にリップサービスで発言しているんでしょう。ベストセラー作家という立場だから、今回の騒動でも地位は揺るぎない。失うものがあれば、もう少し慎重になるかもしれないが、“悪名もまた名なり”というハラのくくり方なんでしょう」
確かに、これまでにも百田氏は「炎上商法」とも言うべき不適切発言を、ツイッターや演説などの場で繰り返している。自著「永遠の0」に関しては、
「特攻を賛美して悪いか!」
憲法9条問題に関し、
「すごくいいことを思いついた! もし他国が日本に攻めてきたら、9信者を前線に送り出す。『こっちには9条があるぞ! 立ち去れ!』と叫んでもらう」
NHK経営委員就任時に行われた都知事選候補に関して、「田母神氏以外(の候補)は人間のクズみたいな奴」と、枚挙にイトマがない。また、自身については、
「世間は、百田尚樹は政治的な人間と勘違いしているようだが、私は単なる愛国者である」
と発言。前出・河原氏が断罪する。
「しょせん時の政権に媚びて、一風変わったことを言う売名屋でしかない。自分を愛国者と言っているようだが、愛国を商売の道具に使っている“愛国屋”でしかありませんよ」
さらには、百田氏のベストセラー作品にも刃を向ける。
「特攻を題材にしているということもあり、『永遠の0』も少し読んだが、すぐに胸クソが悪くなって読むのをやめたよ。本来、大東亜戦争は日本のために義を持って戦ったのだが、『永遠──』では『家族のために戦った』と描写されていた。ここに商売や食いぶちのために突拍子もないことを言っている百田氏の人格がよく反映されている」