6月に終了した木村拓哉主演「アイムホーム」(テレビ朝日系)ではキーマンとなる上司役を演じた俳優・西田敏行。1967年のデビュー以来、48年のキャリアになる彼は、日本俳優連合の理事長を務めるなど、日本を代表する名俳優だ。西田に詳しい芸能関係者が語る。
「西田さんは5歳の時のお父さんが亡くなり、叔母夫婦に育てられました。実の親のように愛情を掛けて育ててもらい、感謝していたのですが、中学卒業後、『東京へ出て役者になりたい!』という夢を話すと、許してくれたんだそうです。『絶対に有名になって恩返しする』と、15歳の時に誓ったと言っていました。そして単身上京し、明大中野高校へ入学するも、慣れない土地で込み上げてくるのは望郷の念です。ですが、反対せず送りだしてくれた両親の顔を思い浮かべると帰れません。時間があると上野公園に行き、公園から東北行きの列車をジッと眺めたそうです」
上野動物園のゴリラの檻の前に座り、「お前も故郷を思い出してるんだよな。俺と一緒だ」と話し掛けていたという西田。その後、劇団「青年座」に入り、若手女優だった妻の寿子さんと出逢う。芸能関係者が続ける。
「一緒に飲んだ後、彼女の4畳半一間のアパートを訪れると、ひびの入った鏡台が一つあるだけで、女性らしい調度品はゼロ。窓にはカーテンもなかったそうです。それでも、『女優だから鏡台は必要だけど、それ以外は必要ないわよ』と、悠然とかまえている寿子さんに惚れ、結婚したんです。その後、人気俳優になった西田さんは、世田谷の粕谷に一軒家を建てると、寿子さんの助言もあり、福島から両親を呼んで近くに住まわせました。当時、西田さんは『やっと恩返しが出来る。息の長い俳優になるぞ』と喜んでましたね」
家族の愛情に支えられ、それを糧に芸能活動を行ってきた西田。それが「釣りバカ日誌」シリーズ等での活躍の原点となったようだ。