テレビ局員が、こぞって頭を抱えている。7月スタートのドラマが、軒並み低視聴率を記録してしまっているのだ。
この夏を彩る民放ドラマ17本のうち、24日から放送の「民王」(テレビ東京系)を除き、2回目以降を見続けるかの指標になる、いわばお試し数字の初回視聴率で10%を超えた作品がわずか6本。そのうち「探偵の探偵」(フジテレビ系)、「ど根性ガエル」(日本テレビ系)は、ともに第2回に4%以上落としてひとケタ台に。「花咲舞が黙ってない」(日本テレビ系)とともに第2回も12%台をキープした「デスノート」(日本テレビ系)も、第3回に8.7%と大暴落。局を問わず、目も当てられない惨状なのだ。
「放送前から映画化が決定していたのに第2回で3%台を出した『HEAT』のフジテレビには失笑を飛び越えて哀れみの声さえ聞こえてきます。一人勝ちと目されていた日テレ関係者も、各ドラマの第2回以降の落ち込みぶりにはショックを受けているようです」(番組制作会社スタッフ)
とはいえ、視聴率がすべてではないという意見は視聴者にも共感できるところ。視聴者こそ少なくても、支持される名作はあるはずだ。
「『リスクの神様』(フジテレビ系)は、平幹二朗、吉田鋼太郎、小日向文世、田中泯など、話題性より実力重視のキャスティングで見応え十分。『花咲舞』とぶつかる時間で視聴率こそ伸び悩んでいますが、再放送で丁寧に視聴者をつかめば、V字回復が見込める作品です。現段階で、まだ第1回しか放送されていない唐沢寿明主演の『ナポレオンの村』(TBS系)にも期待です。情熱で村の活性化に尽力する主人公と、廃村を目論む市長の構図が明確に提示され、わかりやすく見られました。前期、大好評だった『天皇の料理番』から間を置かずスタートさせ、視聴者をそのまま取り込むことにも成功しました。個人的には村のご意見番であるイッセー尾形演じる神主のとぼけたキャラクターに注目しています」(テレビ誌記者)
見逃した作品が、2カ月後に話題になっているかも。まだ間に合う今のうちに、夏ドラマを再チェックしてみては?