奥田民生がボーカルを務める人気ロックバンド、ユニコーンのドラマー川西幸一(55)が、17日に自身が脳梗塞であることを発表した。
一般的に“脳卒中”と言われるが、実はコレ、くも膜下出血と脳出血、脳梗塞の三つに分けられ、患者は全国で約130万人。がんと心臓病に次ぐ、日本人の死因第3位になっている。
この病気、血圧の上がりやすい冬場に発生しやすい印象があるが、国立循環器病研究センターの調査によると、脳梗塞に限っては夏のほうが多いという報告がある。また、高血圧の人や高齢者が陥りやすいと思いがちだが、実際は比較的若く、それほど血圧が高くない人でも襲われるのだとか。
事実、歌手の西城秀樹は2003年、48歳の夏に脳梗塞で倒れている。
「脳梗塞は、動脈硬化で血管が細くなったり、高血圧、脂質異常症などの生活習慣病によって血栓で血管が塞がれ、脳細胞に酸素や栄養が行き届かなくなることで起こります。ところが夏場は、健康な人でも水分不足によって血液の粘度が高くなって流れにくくなり、血管が詰まりやすくなるのです」(医療ライター)
水分不足、脱水症状の心配は炎天下の運動だけではない。意外に思われがちなこんな場面でも‥‥。
「エアコンの効いた部屋は意外と乾燥しており、気がつかないうちに、少しずつ水分が奪われているんです。また、暑い日に飲みたくなる冷たいビールなどのアルコール類は、利尿作用があるため、一見、水分を摂っているようで、実は飲んだ以上に体内の水分を排出することがある。カフェインを含むアイスコーヒー、アイスティーなども同様です。また、無理な減量でも、水分量や栄養が不足して血栓ができやすくなる。こういったことで、夏場は脳梗塞を起こしやすくなるのです」(前出・医療ライター)
では、脳梗塞の前兆を疑うべき“カラダの変化”には、どのような症状があるのだろうか。
「循環器科の医師によると、トイレに行って尿の色が濃くなっていたら水分不足のサインだと考えていいそうです。そんな時はのどが渇いていなくても水分補給をすること。また、睡眠の前後にもコップ1杯、だいたい180~200ccの水を飲むことで脳梗塞の予防にもなるそうです」(前出・医療ライター)
夏場の水分補給は、熱中症対策としてだけではなく脳梗塞の予防にもなる。これから本格的に暑くなってくる季節、小まめに水分を摂るよう心がけたい。
(松尾直俊)