「あの対応には本当に頭が下がります。日常会話はかなり辛いはずなのに楽屋を訪れていたファンや、仕事の関係者たちと希望者全員と個別に『一緒に写った写真』を撮らせてあげているんですからね」
そう話すのは、去る10月17日に東京・中野サンプラザで行われた歌手・西城秀樹のコンサートでの彼の様子を、その舞台裏も含めて知る音楽関係者だ。西城と言えば2011年に2度目の脳梗塞を患い、右半身にまひの後遺症があるものの、自力で歩行できるまでに快復していると報じられていた。
「でも実際、西城さんはコンサートでは基本的に座ったままでした。満員の会場の中、歌声は、往年のままだったそうですが、途中MCになった時です。かなりかすれた声になって言葉が途切れがちになり、観客は静まり返った。そこへ『秀樹がんばれ!』という声援が飛ぶと西城さんは、一瞬声をあげたんですが、その声がうめき声のようだったので、場内は緊迫しました。ただ、しばらくして、次の曲が始まると、また『かつての秀樹』に戻って熱唱するんです」(前出・音楽関係者)
コンサートは開始から40分ほどで、15分という長さの休憩時間も設けられているなど、やはり西城の健康状態を考慮せざるを得なかったようだ。それでも、コンサートを終えた後は冒頭の証言のように、感謝の意を周囲に示し続けていたのだ。
「楽屋では椅子にずっと座ったままで、話すこともひかえているような状況でしたが、時折うなずいたりして意思疎通を図っていたそうです。その努力には本当に心が動かされた人が多かったようですね」(前出・音楽関係者)
最近は、1日数時間、歩行なども含め筋肉トレーニングをしながら、東洋医学の治療も行っていると伝えられる西城だが、着実な快復を祈るばかりである。