手を変え品を変えの特典商法で、毎週末のシネコンを早朝からジャック。続々と公開される大作映画の影響で上映回数こそは減少しているものの、公開6週を過ぎても映画「ラブライブ!The School Idol Movie」が好調だ。“ラブライバー”と呼ばれるリピーターによって、週末のチケットは軒並みソールドアウト。まもなく興収20億円に達するという(うち、リピーターで約13億円)。
しかし、存在を知らない人にとっては近づくのもはばかられるそのいでたちや、勝手に市民権を得ていると勘違いしているラブライバーたちの暴走行為は止まらない。
7月22日の長野県。信越地方の名門大学で知られる信州大学の掲示板に“テロ行為”とすら思われるおぞましい貼り紙が100枚以上も貼られ、ツイッターなどで騒ぎとなった。
信州大学在学中のラブライバーが、推しキャラの「矢澤にこ」の誕生日を祝うとして、「にこちゃん誕生日おめでとう!!」の見出しがついたピンクのチラシを、他の部活やサークルのチラシの上から貼りまくり、掲示板は一面ピンク色に染まってしまったようだ。そこにはキャククターの図柄、「これからも一生ついていく」で締める“犯人”の熱い思いなどが記され、こともあろうに「信大ラブライ部新人部員募集」とツイッターIDまで記されていた。
もちろん、そんな「ラブライ部」などという活動は大学に認可されていないもので、犯人の学生は大学から呼び出され、チラシも午後には撤去されたようだ。これにはツイッターを通して、「テロそのもの!病的すぎる!」「同じ信大出身者として本当に恥ずかしい」「こんなことするから全員アタマがおかしいと思われるんだ!!」「自分の子供がラブライバーだったら縁を切る」とドン引きコメントが殺到した。
もはや信仰が過熱する一方のラブライバーだが、最後のひと儲けとばかりに映画の入場特典は、今週末の7週目は「描き下ろしイラストポストカード3種類」、翌週8週目は「メンバーといっしょに海外旅行~旅のしおり~」と、もはや異次元のアイテムすら用意されている模様。
映画公開から2カ月、毎週のようにお布施を落とし続けるラブライバーだが、常軌を逸した行為だけは止めてもらいたいものだ。
(村岡タクミ)