自分の持つこだわりを専門家の立場から一刀両断される「中居正広のミになる図書館」(テレビ朝日系)。7月7日放送の回で、タレントの松嶋尚美が語った「牛乳有害説」が波紋を呼んだことは本サイトでも既報通りだが、こうした見た、聞いた、というだけでむやみに信じる母親が、最近とくに増えているという。
「私の勤める泌尿器科でいえば、クランベリージュースがその例です。『尿の量が多くて心配』と来院した患者さんに聞くと『飲むとおしっこにいいと聞いたから』と、医学的根拠にとぼしいクランベリージュースを1日に何リットルも飲ませていたりする。摂取水分量が多ければ尿量が増えるのは当然です。しかも、多飲がほかの病気を引き起こすこともあるので注意が必要です」(医科大学病院教授)
また、テレビでは医師という肩書きを持つコメンテーターが、専門領域外のことについて語ることを危惧する。
「医師なら病気のことを何でもわかると思ってしまう人が少なくありませんが、それは間違いです。専門領域のことには最新医学まで詳しくても、他科のことになると話は別です。医学情報に触れる時は専門医の話なのか、どれくらいエビデンスが確かなのか(医学的に証明されているのか)も、少し気にしてみていただきたいです」(前出・医科大学病院教授)
何でも鵜呑みにすることなく、その情報の正確性、必要性、セカンドオピニオンなどを適切に理解、判断する「リテラシー」が求められていると言えそうだ。