右肩筋疲労で1カ月近くノースロー調整を続けてきた、ソフトバンクの松坂大輔(34)がようやくキャッチボールを始めた。それでも実戦で投げられる日、果ては全盛期の姿に戻る日はいつになるのやら‥‥。3年12億円の元メジャーリーガーには暗い話題しか聞こえてこないのである。
球団関係者が話す。
「立ち投げを始めたとはいっても、見切り発車。超大型契約で入団した経緯もあって、周囲の無言のプレッシャーから、いいかげんやらないと、といった雰囲気です。とはいえ、キャンプで作った筋肉も落ち、まさにゼロからのスタート。先行きが見えません」
そもそも、11年に右肘を手術したとはいえ、ここ4年で10勝しかしていない松坂に多くを期待するのが無謀だったのか──。
「09年のWBCで股関節を痛めて以来、患部をかばうように下半身を使わず、上体だけで投げるようになりました。キャンプで松坂を見た佐藤投手コーチは、『こんなにひどいとは思わなかった』と口にしたほどです。それでも松坂本人は当初、今の状態でも通用すると思っていたフシがあったといいます」(スポーツライター)
そうした状況がさらに悪循環を生んでいったようだ。
工藤監督は、自身が巨人時代に大型契約期間中の01年にほぼ1年を棒に振った経験もあるため、松坂を焦らせないよう、優遇ともいえる対応をしている。すると松坂は、キャッチボール再開後、監督を後ろ盾にするかのように、
「早く戻りたいけど、監督からも復帰の期限を設けないでやってほしいと言われているので」
と発言。チーム内をピリピリさせているという。
「巨大戦力を誇るソフトバンクは、二軍で好投を続ける新助っ人・バンデンハークすら外国人枠の都合で一軍に上がれないほど。他にも千賀や岩嵜ら先発枠を虎視眈々と狙う投手であふれています。結果を出す前から松坂だけが特別扱いをされてはおもしろくないでしょう。実は、松坂の話題を振ると露骨に不快な顔をする二軍の投手までいるんです」(スポーツ紙デスク)