この夏、邦画界の4番バッターとしてキムタク「HERO」以上に期待を集めていた、三浦春馬主演の「進撃の巨人 ATTACK ON TITAN」が予想に反する苦戦を強いられている。
「8月1・2日の週末興行成績は5億9000万円で『HERO』を蹴落とし首位でした。一見、順調な首位奪取に見えますが、内容はまさに薄氷です。1日の土曜日は『映画の日』ということもあり、『進撃~』は盛り上がりました。そのまま土日で圧勝ムードかと誰もが思っていたのですが、なんと翌日の2日にはいきなり失速。公開前はライバル視されていなかった『ミニオンズ』に負けたんです。ですから6億300万円という初週の数字は、『HERO』(7億3000万円)、『バケモノの子』(6億7000万円)、『アベンジャーズ』(7億9000万円)などに及ばなかった。入場料の安い『映画の日』というハンデがあったとはいえ、観客動員数でもその3作品に5万~10万人も負けてますから言い訳はできませんね。さらに3日以降の平日に入ってからは、『ミニオンズ』の60%程度しか稼げていません。業界では『巨人がミニに負けた』と驚かれていますよ」(映画ライター)
期待を大幅に下回った理由として、公開前後のネットレビューなどの酷評の多さ、さらにそれに対して監督とプロデューサーがツイッターなどでブチ切れ、炎上商法もどきの状況になってしまったことも痛かったという。
「宣伝スタッフが毒舌系の評論家に試写状を送った疑惑で樋口監督が悪態をついたり、プロデューサーがツイッターで『ハリウッドと比べるな』とブチ切れたのは、炎上商法と批判されてもしかたないですね。『進撃──』も邦画の中では圧倒的に高い予算で作られていますから。その騒動だけでも鑑賞控えする観客が増えるのは当たり前ですが、さらに製作側が誤算だったのは、ミカサ役の水原希子の嫌われぶりだったのではないでしょうか。これがいちばん痛かったと思います」(前出・映画ライター)
ネットのコメントなどでも、「キコが出てる時点で観に行くチョイスなし」「あの女をスクリーンで見たくない」「今からでも遅くないから能年チャンか橋本愛に替えて撮り直して!」など、水原の女性からの嫌われっぷりは相当なものだ。
「彼女を選んだ時点で、観客の何割かは逃したことになるでしょう。1位を獲って面目を保ったことで、『50億円も視野』とちょうちん記事を掲載していたメディアがありましたが、不可能だと思いますね。いまや30億円も不安視されているのが現状です」
9月にはさっそく後編の公開も控えているが、この様々な急ブレーキ要素がはたしてどう影響を及ぼすのだろうか。
(藤田まさし)