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2006年(第88回大会・準々決勝)
智弁和歌山(和歌山)13-12 帝京(東京)
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ともに何度も全国優勝を果たしている強豪校同士の対決であり、甲子園を知り尽くす名将対決でもあった。
7回を終わって8対2と智弁和歌山が大きくリード。帝京も8回に2点を返し、9回には、なんと怒濤の5連打などで8点を奪って逆に4点リードする展開になる。だが、帝京は先発の高島祥平はじめ、垣ケ原達也、大田阿斗里と主力投手を使い果たしていた。
9回の智弁和歌山は、4番・橋本良平の3ランで1点差とし、その後もチャンスを作っていく。ここで代打・青石裕斗が同点タイムリーを放ち、なおも満塁と攻め続ける。最後は急きょマウンドに上がった6人目の投手が四球を与えて押し出し。智弁和歌山が執念でサヨナラ勝ちをつかみ取った。どんな局面になっても慌てない智弁和歌山の勝負強さ。押し出し四球を選んだ古宮克人主将は、
「ボクたちは厳しい練習に耐えてきたという自信と負けん気があった」
と、磨き上げられた野球エリートのたくましさを誇ったのである。それにしても、両チーム合わせて7本の本塁打が乱れ飛ぶ大乱戦。ただ単に点の取り合いという表現だけでは済まされない、甲子園常連校同士のすさまじい試合である。ボクシングでいえば、最終ラウンドでダウンの奪い合いといったところだろうか。百戦錬磨の智弁和歌山・高嶋仁監督も、疲れ切った表情で言った。
「こんな展開になるとは、さすがに予想できなかった。選手が最後まで諦めなかったことが勝因」