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1982年(第64回大会・準々決勝)
池田(徳島)14-2 早稲田実業(東京)
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1年生で背番号11をつけ、甲子園で準優勝を果たした早実の荒木大輔は、「大ちゃんフィーバー」を巻き起こして甲子園の人気者になった。以来、可能性のある5季全てに甲子園出場を果たし、「アイドル」であり続けた。そして最終学年の夏、早実はチームも充実し、優勝候補にあげる人も少なくなかった。その荒木がいた早実の最後となったのが、ベスト8で当たった池田との試合である。
金属バットの特徴を最大限に生かして高校野球を変えたとまで言われている池田は、エースで4番の畠山準と1年下の水野雄仁や江上光治らが思い切りよくバットを振ってくる。この試合で池田は、毎回全員の20安打と、荒木の球をおもしろいように打ちまくった。「キーン」という甲高い金属音が甲子園に響きまくり、メディアはそれを「やまびこ打線」と称した。その中核でもある水野は、リリーフ登板した石井丈裕からの満塁弾を含め、2本塁打を放っていた。
こうして甲子園の人気者は、荒木から阿波の金太郎・水野へと引き継がれていくことになる。その引き継ぎとでもいうべき試合は、アイドルをもののみごとなまで粉砕する形で、やはり伝説となったのである。
その早実に今夏、1年生の清宮幸太郎という新たなスターが誕生した。どんな伝説を残してくれるのか、あるいは何も残さずに甲子園を去っていくのか‥‥。