甲子園に出場することももちろん重要なことだが、強豪校ともなれば出場するたびに常に上位の成績が求められる。これまでに数多くの高校を甲子園に送り込んだ日大系列校と東海大系列校だが、16年までの夏の甲子園での成績で比較してみたい。
まず、優勝回数である。日大系列校で優勝経験があるのは日大三(西東京)のみで、01年と11年の2度、全国制覇を果たしている。対する東海大系列校も優勝経験があるのは東海大相模(神奈川)のみ。こちらも70年と15年の2回優勝を果たしており、互角の勝負といえる。
次に準優勝回数はというと、日大系列校は0だったが、東海大系列校は東海大浦安(千葉)が00年に、東海大相模が10年にそれぞれ準優勝していることで、ここでは東海大系列校が優勢。
最後にベスト4進出回数である。日大系列校は07年に長崎日大が、13年には日大山形が経験していて、合計2回。対する東海大系列校は東海大甲府(山梨)が過去3回もベスト4に進出している。85年には宇部商の前に6‐7で惜敗、04年は8‐10とこれも打撃戦の末、駒大苫小牧に及ばず、12年には光星学院(現・八戸学院光星=青森)に3‐9と完敗して決勝戦進出を阻まれた。結果、優勝回数は2‐2で引き分けだが、準優勝回数とベスト4進出回数で東海大系列校が上回ることがわかった。
ちなみに、これがベスト8進出回数まで加えると日大系列校が東海大系列校を圧倒する。何と日大系列校は日大三だけで5回、ほかに日大山形、佐野日大(栃木)、日大二(西東京)、日大鶴ヶ丘(西東京)、大垣日大(岐阜)、長崎日大が各1回ずつの計11回。対する東海大系列校は東海大相模2回と東海大静岡翔洋1回の計3回のみ。しかし、これをベスト8以上進出率にすると、日大系列校の18.5%に対して、東海大系列校は21.7%と逆転する点は見逃せないところだ。
今年の夏は日大系列校から日大山形、土浦日大(茨城)、大垣日大の3校が、東海大系列校からは東海大菅生(西東京)1校が甲子園に出場する。それぞれの高校の活躍を期待したい。
(高校野球評論家・上杉純也)