今週は「新潟2歳S」が新潟で行われる。若駒たちによる戦いだけに難解だが、両重賞を的中させ勢いに乗る万券王・水戸はファドに◎を打った。一方、札幌の「キーンランドC」は、3連勝中のティーハーフに注目!
今週のメインは、新潟2歳S。年に今のマイル戦に改められたが、それでクラシック戦線で活躍する馬も多くなった。今年はどんなスター候補が誕生するのか、興味は尽きない。
顔ぶれを見てみると、素質馬がそろっている。ハイレベルでのドングリだろうか。それでは、まずデータをひもといてみよう。
マイル戦になった02年に馬単が導入されたが、それ以降、馬単で万馬券になったのは5回(07年から10年まで4年連続がある)。1番人気馬は6勝、2着2回。2番人気馬が1勝、2着2回。
ま、特に大きく荒れる重賞ではないが、デビュー間もない若駒によるレースだけに不確定要素が多く、評価、人気どおり順当に収まることは少ない。
また、この時期、牡馬と牝馬、性別による力の開きは少ない。牡馬、牝馬ともに背負う斤量は同じ54キロ。だからだろうか、牡馬8勝(2着7回)、牝馬5勝(2着6回)。わずかに牡馬が勝っているが、同じ斤量で戦うのだから牡馬に軍配を上げるべきと思うのは間違い。当方としても、その牝馬に狙いをつけてみた。
狙いは、ファドだ。それなりに注目されている1頭だが、それでも人気は他の有力どころに譲ることになるだろう。
デビュー戦は、まずまずの内容。特に強烈な印象はなかったが、安定感があって、危なげなく勝ち上がった。続くダリア賞は1番人気。しかし直線追い出すとピリッとせず、内に外へとヨレる始末。このへんが若さなのだろうが、しかし負けたとはいっても勝ち馬とはコンマ1秒差(4分の3馬身)の4着。体重が8キロ増とやや重め残り、余裕残しの作りだった。そのへんも騎手が追いづらく、ヨレた理由でもあったと思う。
1番人気を裏切った悔しさもあり、陣営はすぐにもここ目標に再調整に入った。馬は反動もなく元気いっぱいで、それでだろうか、中間の稽古の動きは軽快そのもの。1週前の追い切りもリズムに乗って実によかった。
「デビュー戦はマイルだったが、距離は少し延びても問題ないタイプ。少なくとも前走(ダリア賞)の7ハロン戦よりは、マイルが合っている」
こう力を込め、巻き返しを期するのは矢野調教師。馬の気配のよさから、陣営の意気込みのほどが伝わってくる。
しまいがしっかりしているだけに、平坦の新潟は間違いなく合っている。他馬に比べ特に抜けたいい血統ではないが、それでも近親にデュランダル(マイルCS、スプリンターズS)などがいる血筋のよさは評価すべきだろう。よほどの道悪にならないかぎり、中心視したい。
相手の筆頭、また逆転候補として取り上げたいのは、ウインミレーユとロードクエストだ。
前者は、新馬戦の内容がすばらしかった。減量騎手が手綱を取ったため51キロでの出走。その有利さがあったにせよ、他馬を子供扱いにした強烈な末脚は凡馬のそれではない。天皇賞馬ビートブラックの妹。あか抜けた好馬体でもあり、今後の注目株だ。
後者は、これまた新馬戦を快勝したが、同じく瞬発力が武器。こちらもサクラチトセオー(天皇賞・秋)が近親にいて将来性は十分。3カ月ぶりだけに、仕上がり状態が気になるところだ。
キーンランドCは、トーホウアマポーラに期待だ。前走のCBC賞は体調が思わしくなく、また道悪も響いた。参考外と見ていい。しかし、この中間はここ目標に一変した好状態。変わり身があっていい。
◆アサヒ芸能8/25発売(9/3号)より