猛暑は一段落したものの、今度はその疲労が抜けない。スタミナが続かない。食欲もない。夏バテは忘れた頃にもう一度、秋バテとしてやってくる。しかし、美味しいフルーツがそんな悩みを解消するのだ。
そのフルーツというのが、アボカド。アメリカでブームを起こした巻き寿司「カリフォルニアロール」で知られる果物だ。
アボカドはメキシコと中央アフリカが原産で、西暦900年頃から食されてきた歴史を持つが、アボカドが愛されてきたのはその成分。アボカドの語源は一説には、アステカ人の使うナワトリ語の「睾丸」という意味で、収穫時には女性は外出禁止とされていたと言われているほど、古くから精力剤として常用され続けてきた。ギネスブックでも、最も栄養価の高い果物として認められている。その成分のいちばんの特色はビタミンE。含有量は群を抜いている。理学博士の秋好憲一氏がこう語る。
「ビタミンEは脳内の血行を改善して活動を活発化させ、男性ホルモンの分泌を促進する成分。成人男子が1日に必要とする摂取量は10ミリグラムとされているが、アボカドは1個半で補うことができる。最近ムラムラしなくなったと悩んでいる方にはもってこいです」
アボカドにはほかにもビタミン類が10種類、さらにタンパク質、カルシウム、亜鉛、葉酸、ルチンなども豊富に含まれている。また口の中でトロッととろける食感と味から「森のバター」とも言われているほど多くの脂肪分が含まれているが、そのほとんどが不飽和脂肪酸なので、コレステロールの心配はない。
最近では美容に良い食べ物としてタレントのローラも手作り「アボカドトースト」を朝食にしているほど。
アボガドは生でも炒めても、焼いても美味しく食べられる。アボカド食で「甦る秋」を迎えたい。
(谷川渓)