実りの秋を代表する食べ物のひとつが果物。中でもブドウはその味のみならず、含有成分の意外な効果が人気をさらに高めている。
古代からブドウには優れた薬効があることが知られ、世界中で広く民間薬として利用されてきた。医薬の仏として信仰される薬師如来の台座に描かれているのは、ブドウの葉で房を包み込んだブドウ唐草で、薬師如来は「葡萄如来」とも呼ばれている。昔は身体が弱ったら食べていたように、ブドウはれっきとした薬だったのだ。
そのブドウの代表的な成分がポリフェノール。その一種であるレスベラトロールが、「若返り成分」として注目を集めているのだ。
「レスベラトロールはブドウの果皮に含まれ、血小板の粘性を軽減させるので弾力のある血管を保持することができます」(山田クリニック・山田徳院長)
若返りと長寿研究の第一人者、ハーバード大学のデビッド・シンクレア博士とそのチームの研究でも、レスベラトロールの摂取で寿命が伸びることが証明されている。シミ、シワ、白髪等の老化現象の予防や動脈硬化の予防、細胞の老化を遅らせたり、寿命を延ばす可能性を高めるというのだ。
このレスベラトロールの効果を得るためには、ブドウを皮ごと食べること。というのは、ブドウに含まれているポリフェノールのほとんどは、ブドウの果皮と種に含まれており、ブドウ果肉にはあまり含まれていないから。あるいは、熟成された赤ワインならベストだ。
しかし誰もが気軽に美味しく毎日レスベラトロールを摂取するのなら、ジュース(天然ブドウ果汁100%)がいい。朝のコップ1杯が、すっきりした目覚めと1日の爽やかなスタートをもたらし、心身ともに若々しくなれる第一歩となるだろう。
(谷川渓)