テリー 芸能活動が忙しくなってきて、今、ビジネスのほうはどうなんです?
ヒロミ スパは後輩に譲って、今はトレーニングジムが3店舗あるだけです。
テリー それはずっと経営していくの?
ヒロミ いや、それも将来的には譲るつもりです。前から従業員には言ってるんですけど「自分たちの会社だと思って頑張ってほしい」と。けっこう大変な時期に残ってやってくれた連中がいるので、将来的にはその中から社長が出て、やってくれるのがいちばんいいと思うんですよね。
テリー じゃあ、商売もうまくいってるんだね。
ヒロミ とりあえず。でも難しいですからね、商売は。儲けるのは大変ですよ。
テリー 続けなくちゃいけないからね。
ヒロミ 終わりがないんですよ。儲けが出ても、そんなに利益率が高い商売じゃないし、翌月はどうなるかわからない。加えて施設だから何年もやってれば老朽化するし、マシンも入れ替えなきゃいけないし。
テリー ライザップの広告とかすごいけどさ、誰でもあんないい体になるの?
ヒロミ 体質にもよると思いますけどね。ただ、僕らがやってるのは「週に1、2度来て健康になりましょう」ってトレーニングだから。ああいうのとは根本的に違うので、何とも言えないですけどね。
テリー まあ、あんなにムキムキになってもね。
ヒロミ なってどうするんだ、っていうのはありますよね。例えば普通のOLさんが48キロまで痩せて、憧れのモデル体型になったからって、その出口の先で何がしたいのか、さっぱりわからないんですよ。
テリー そうだよね。
ヒロミ それより自分のベスト体重が55キロなら、それでいいじゃないですか。好きなものを食べて、健康でいるのが一番だと思うんですけど。
テリー クルマもそうだよね。いくらいいクルマ買ってもさ、それに乗ってどこへ行くんだって。
ヒロミ いいクルマに乗ればカッコいい、なんてのは僕らの時代で終わってますから。僕、何でもっと日本のクルマって「遊び」の要素をフィーチャーしないのか不思議なんですよ。例えば、ダイハツの軽(自動車)はすごくアウトドアを意識して、車中泊ができたり、「このクルマに乗って行けばこんな遊びができますよ」って、すごくアピールしてるじゃないですか。
テリー 言われてみればそうだね。
ヒロミ 特に今の若い連中には、そういった「そのクルマを使って○○をする」っていう出口を作ってあげないと、魅力をアピールできないと思いますけどね。
テリー それは鋭いね。じゃあ、そういった目線で今後取り組みたいことは?
ヒロミ 僕、時々ジムのお客さんを10人くらい連れて山に行くんですよ。そうすると、みんなトレーニングしてるのに、山では意外と動けなかったりする。確かに、使う筋肉も違うんですよね。
テリー なるほど、トレーニングのためのトレーニングになっちゃってるんだ。
ヒロミ だから、将来的には40~50代の中間管理職みたいな人たち向けに、トレーニングとリンクさせた「遊びの学校」みたいなものをやりたいんですよ。お金を取らず、何か教えてほしい人だけが、体でいろんなことを覚えていく場を。
◆テリーからひと言
10年間ためたヒロミさんのパワーが今、一気に噴き出してる感じだよね。遊びの学校、すごくいいと思うな。こういうものこそ、今の時代に必要だと思うよ。