そのオリックスをも下回り、2年連続の最下位に終わった楽天。まともに働いた選手はほぼ皆無で、1人に責任を負わせるのは酷かもしれないが、他チームの選手との比較で、ベテランの後藤光尊(37)を選出した。球団関係者によれば、
「8、9番を打たせておく分には特に問題ない選手なのですが、なぜか5番で起用されることも多かった。出塁率2割6分5厘の打者にクリーンアップを打たせちゃいかんですよ。実は後藤は三木谷浩史オーナーのお気に入りで、起用法に関してもオーナーのプッシュがあったんです」
最後にワースト監督にも触れておこう。セ・リーグは今季限りで退団した阪神・和田豊監督(53)。他チームのもたつきで何とかCSに滑り込んだが、勝率は4割9分6厘。決して強いと言える戦いぶりではなく、監督の指揮にも各方面から批判が集まった。特に、キャンプ合流に遅れたゴメス(31)や、サイン無視のメッセンジャー(34)に厳しく注意しないなど、外国人選手を野放しにする姿勢に、日本人選手はアキレていたという。阪神担当記者も選手と同様の感想だ。
「前述の上本の打順を含め一貫性のないオーダー変更にも反発が出ていました。優柔不断で、評論家がスポーツ紙でどうコメントしているかばかりを気にかけ、自分の考えではなく評論家の言い分を取り入れていました。もともと和田監督は昨季終了の時点で岡田彰布氏(57)か金本知憲氏(47)=現監督=に交代するはずだった。それがCSで巨人に4連勝して日本シリーズに出たことで続投。その時点で、選手たちのモチベーションは下がっていました」
パ・リーグは、わずか1年で辞任した楽天・大久保博元監督(48)で異論はないだろう。外国人打者がそろって働かず、7月までに主力野手5人が故障離脱などという同情の余地はあるものの、三木谷オーナーの「天の声」にあらがえなかった責任は大きい。
「三木谷オーナーは試合前にスタメンをメールで送るだけでなく、試合途中に選手交代の指示まで出す現場介入ぶりでした。星野仙一前監督(68)=現副会長=ははねつけていたそうですが、デーブ監督は従っていた。これではコーチ、選手はたまったものじゃありません」(スポーツ紙デスク)
来季は梨田昌孝新監督(62)の下、巻き返しを図る楽天。はたしてオーナーの呪縛を解くことはできるのか──。