勝率5割を切りながら、かろうじてCSに滑り込んだものの、第1ステージで巨人に敗れ去った阪神からも、マートン(34)、上本博紀(29)の2人が選出されてしまった。
来日6年目のマートンは今季も中軸を任されながら、打率2割7分6厘、9本塁打、59打点と低調。ストライクゾーンに対する不満から集中力を欠くシーンが目立ち、左翼守備でも緩慢な動きを繰り返した。
「年間最多安打3度、首位打者1度と実績は申し分ないが、その分、年俸は推定4億5000万円にも達している。球団は年齢面も考慮し、来季の構想から外す方針を決めました」(阪神担当記者)
上本も本来の実力からすると物足りない内容だった。昨季3割9分をマークした長打率が3割3分9厘に落ち込んだうえ、8月と9月の2度、故障によって戦線を離脱した。
「シーズン序盤、制約の多い2番打者を務めていた間に、本来の思い切りのよさがなくなってしまった。また、ヤクルト、巨人と競り合っていた9月中旬に選手会長が離脱したのは、チームにとって大きな痛手でした」(スポーツ紙デスク)
その阪神に一歩及ばず、CS出場を逃したのが広島である。25試合連続2桁安打なしの球団ワースト記録を更新したように、好投を続ける投手陣を打線が援護できなかった。中でも主力に成長した丸佳浩(26)は春先から調子が上がらず、得点圏打率1割9分8厘はリーグの規定打席到達者中最下位。丸が昨年のような打撃を維持していれば、CS出場を逃すことはなかったかもしれない。
2年目の田中広輔(26)は守備でチームの足を引っ張った。失策数22はリーグの規定試合到達者中、飛び抜けてのワーストである。
「二遊間寄りの打球には強いのですが、肩が弱いため、三遊間深めの打球をセーフにしてしまうことが多いですね」(スポーツライター)
3年連続Bクラスに終わった中日では、3年目の右腕・福谷浩司(24)がもがき続けた。昨年は主に抑えとして72試合に登板し、2勝4敗11セーブ、防御率1.81とブレイク。だが、今季は四球を連発するなど不安定な投球が続き、42試合、3勝4敗19セーブ、防御率4.05で8月に登録抹消となった。しかし二軍戦でも結果が出ず、9月中旬からは二軍戦にも登板させてもらえなかった。来季の中日の巻き返しには欠かせない存在だけに、復活が期待される。