金本監督が「超変革」を掲げた1年目が4位に終わった阪神だが、
「監督に『超変革』を要請された鳥谷は『変われって言われても、もうオッサンだし。いまさらどう変われと‥‥』と不満をにじませました。嫌『超変革』が絶不調の原因の一つでしょう」(球団関係者)
これまでチームの顔として貢献してきた鳥谷も、来季以降は扱いに変化が現れる可能性があるのだ。
「首脳陣は遊撃のレギュラーとして北條史也(22)を育てたい方針ですが、フロントはグッズの売り上げが大きい鳥谷の試合出場を望んでいるため、事情は複雑です。不調で先発を外れることが多かったゴメス(32)が『キャプテンで日本人なら外れないのか』と不満を漏らしていましたが、ひとつ間違えればチーム内に亀裂が生じることも考えられますね」(スポーツ紙デスク)
パ・リーグで惜しくも優勝を逃したソフトバンクも、実にやっかいな不良債権を抱えている。松坂大輔(36)だ。
松坂がソフトバンクと3年12億円プラス出来高という大型契約を結んだのは、メジャーを追われた14年オフ。だが、不調やコンディション不良が重なり、終わってみれば昨年は一軍昇格なし。今季もひたすら二軍で調整を続け、最終戦でようやく一軍初登板。結果は1イニングで打者10人に4四死球5失点という悲惨なものだった。なんと、1アウトを取るために1億3000万円もかかるという、鳥谷など問題にならないほどの超不良債権度なのである。肩叩きを受けても不思議ではないが、来オフの契約満了までクビになることはないという。ソフトバンクの事情に詳しいスポーツライターが解説する。
「孫正義オーナー(59)が松坂の存在感を高く評価しており、一軍での復活を期待しています。莫大な費用がかかる松坂獲得にみずからゴーサインを出したこともあり、必ずよみがえってくれると信じ込んでいるのです」
一方で、首脳陣はすでにサジを投げているようで、最終戦登板もオーナーや球団上層部の意向を察した工藤公康監督(53)が、消化試合ということもあり、お情けで起用したのだという。
「順位に影響する状況だったら実現しなかったでしょう。いわば『思い出作り登板』です。『これ以上ズルズルと居座られてもチームに悪影響を及ぼすだけ』と嘆くコーチもいるほどだし」(前出・スポーツライター)
加えて周辺からは、「タニマチの接待攻勢の影響で体をしぼり切れない」との声も漏れてくる始末。野球評論家の張本勲氏(76)は10月9日、レギュラー出演する「サンデーモーニング」(TBS系)で大炎上登板した松坂を「面影ないね。ちょっと太りすぎだよ。だから棒球になっちゃう」と苦言を呈していた。このままでは来季も孫オーナーの期待に応えることは難しそうだ。
楽天の松井稼頭央(41)は開幕から18打席連続でヒットなしとつまずき、6月には打撃不振で登録を抹消された。一軍に復帰したのは8月。結局、出場わずか56試合、打率2割1分3厘でシーズンを終えた。これで年俸1億6000万円ももらえるとは、うらやましいかぎりだ。球団は来季の契約を更新する意向のようだが、年齢を考えると、年俸しだいで不良債権度はさらに上昇することだろう。