今年のプロ野球が終了し、焦点は選手たちの去就と契約更改へと移っていく。と、その前に今季を総括。グラウンド内外のさまざまなデータから、マイナスの働きを見せたセ・パ両リーグ「ワーストナイン」を、独自の査定で選出。戦線離脱男、期待外れの高給取り、スキャンダル王‥‥不名誉な話題の布陣を発表する。
残り3試合まで優勝争いがもつれ込んだ今季のセ・リーグ。混戦といえば聞こえはいいが、勝率5割を超えたチームは2つだけ。どのチームも決め手を欠き、抜け出すチャンスをみずから逸した。
その好例は何といっても巨人。圧倒的な戦力を持ちながら他チームを突き放すことができず、ヤクルトの差し切りを許してしまった。戦いぶりを象徴するかのように、ワーストナインにも最多5人がランクインした。
先発ローテーションを守るべきはずの内海哲也(33)はキャンプ中に左前腕部炎症で出遅れ、初登板が6月までズレ込んだ。それでも勝ってくれれば救われたが、結局2勝止まり。まさに「背信」のシーズンだった。
「内海は今季が4年16億円契約の3年目ですが、昨季に続いての長期戦線離脱。球団内部でも複数年契約の弊害がささやかれています」(巨人担当記者)
女房役の捕手にも泣かされた。ヤクルトからFAで獲得し、2年目の小林誠司(26)と並ぶ正妻候補として期待された相川亮二(39)は、開幕早々に右太腿の肉離れで戦線離脱。その結果、「99%ない」はずだった阿部慎之助(36)の捕手復帰という事態に発展。シーズン前の原構想が水泡に帰してしまった。
その阿部も不振にあえいだ。打率は2割5分にも満たず(規定打席未到達)、得点圏打率にいたっては2割2分5厘。チームの大黒柱としては、実に物足りない成績でシーズンを終えた。
「一塁にコンバートしても打撃が上向かず、相川の離脱でいったん捕手に戻しても結果は一緒だった。昨年発覚したグラドル・小泉麻耶(27)とのスキャンダルが尾を引いているのでは‥‥と考えたくもなりますね」(前出・巨人担当記者)
村田修一(34)もすっかり存在感を失ってしまった。打率2割3分6厘、12本塁打、39打点という数字もさることながら、原辰徳監督(57)の「非情采配」の名の下、精神的なプレッシャーをかけ続けられた。カメラマンが嘆息する。
「スタメン落ちや8番への降格、果ては、実績でははるかに格下の堂上剛裕(30)を代打に送られるという仕打ちも受けた。球場でもうつむき加減のことが多く、かつての主砲の面影は消えてしまいました」
キューバ政府が海外移籍を容認した初の選手として昨年入団したセペダ(35)は、変化球中心の日本野球の配球にまったく対応できなかった。20試合に出場し、21打数無安打の「打率0」ではやばやと二軍落ち。今季限りでの退団が決まったのも致し方ないだろう。