俳優の阿藤快が死去していたことが11月16日に報じられた。亡くなったのは14日とみられるが、前日まで元気で、普通の生活を送っていた矢先の死だった。こうした突然死は増加傾向にある。
阿藤の突然死は大動脈瘤破裂胸腔内出血によるものだったが、今年9月にホテルの客室で急死した阪神タイガース・中村勝広GMの場合は急性心筋梗塞、さらには俳優の田宮五郎はくも膜下出血だった。今やわが国では年間約10万人が突然死している(厚労省「人口動態統計表」)。1日平均約300人ということになるのだ。佐藤玄徳内科クリニックの佐藤玄徳院長が言う。
「突然死、急死の大半は血管が原因。はっきりとした事前の兆候が現れにくいのです」
阿藤は亡くなったと思われる日が69歳の誕生日だったが、その前日までは元気で、普通の生活を送っており、亡くなっているところを発見された際も苦しんだ様子はなく、布団の中で眠っているようだったという。だが健康そのものと思われていた阿藤も、最近は背中の痛みを訴えていたという。三上接骨院の三上藤雄院長によれば、
「背中、腰の痛みには重篤な病が隠されていることがある。血流が滞っている部分が、凝っているようにも感じます。これは血管に何らかの原因がある場合が多く、内臓に症状が現れているため。安易に指圧などをやると、さらに悪化する場合もあります。まずは検査を受けることが大事」
痛みに気付いたら、内科や心臓血管外科を早めに受診したほうがいいようだが、なにより予防が第一。喫煙、過度の飲酒、運動不足、睡眠不足、ストレスなどが要因だが、「わかっちゃいるけど難しい」のが現実。
「阿藤さんのように睡眠中、特に明け方に亡くなる例は多い。これは睡眠中は血液に粘りが出て、朝は血が固まりやすくなるため。水分の補給は突然死を防ぐうえで大切。寝る前や朝起きた時にコップ1杯の水を飲むとよい」(前出・佐藤院長)
コップ1杯の水で突然死を防げるならぜひ始めたいものである。
(谷川渓)