2015年の大晦日に放送されたNHK紅白歌合戦を観た視聴者は、なんとなく違和感を覚えたのではないだろうか? NHKの、しかも平均視聴率40%超えという国民的番組の中で、ディズニーが全面的に協力していたことだ。
そこにはディズニーを代表するミッキーとミニーだけでなく、主要キャラクターが勢ぞろいして応援。それだけなく、今作よりディズニー製作となった映画「スター・ウォーズ」のキャラクターまで、嵐と共演する大サービスぶりだったのである。
テレビウオッチャーは「まるでNHKとディズニーの合作のようだった」と振り返り「ディズニーの宣伝色があまりにも濃く、いかがなものか」と思ったという。
この事態について、ある経済ジャーナリストはこう話す。
「昨年10月の入園者数でユニバーサル・スタジオ・ジャパン(USJ)は、開園以来初めて東京ディズニーランド(TDL)に勝ったんです。片やTDRは昨年、前年より入園者数が減少しました。そこで、国内だけでなく海外にも広く放送される紅白は格好の宣伝になると踏んだのでしょう。また、NHK側にとってもディズニーの全面協力は、話題性に乏しかった紅白において “渡りに船”だったのではないかと思います」
NHK、ディズニー双方の「焦り」が見え隠れした年末の紅白歌合戦。公共性のある番組なだけに、行き過ぎた一企業との「話題作り」には、いささか疑問が残るカタチとなってしまったようだ。