東は今週から東京に舞台を移して「根岸S」が行われる。過去5年で3度、10万円以上の高配当が飛び出す中穴傾向だけに、一筋縄では収まりそうもない。一方、京都の「シルクロードS」は、ビッグアーサーのハンデが鍵。
今週から東京開催。開幕週のメインは、この根岸Sだ。ご存じのようにGIフェブラリーSの前哨戦(1着馬に優先出走権)で、地方馬の出走枠もある。
03年に馬単が導入されてからの過去13年間で、1番人気は3勝(2着3回)。2番人気は1勝(2着1回)。馬単で万馬券は5回(馬連2回)。
本命サイドで決まることは少なく、中穴傾向にある重賞と見ていいだろう。
年齢を重ねても活躍し続ける息の長い馬がダート界には多い。今回も10歳のマルカフリートを筆頭に、9歳のアドマイヤロイヤル、そして8歳が5頭も出走してくる。
しかし、GIの前哨戦ともなると、激しい競馬になること必至。肉体的な若さ、充実度がモノを言う。これまでの13年間、8歳以上で連対した馬はいない。前述した古豪たちは、厳しい競馬を強いられるということだ。このへんは頭に入れておいたほうがいい。
競走馬として完成期を迎える5歳馬の強さ(4勝、2着8回)が目立つレースで、6歳(4勝、2着3回)、7歳(3勝、2着0回)がこれに続く。4歳馬(2勝、2着2回)も健闘してはいるが、古馬の地力が勝っている、ということだろう。こうしたデータを念頭に、勝ち馬をあぶり出してみようか。
顔ぶれを見渡してみてわかるのは、これからの活躍が見込まれている馬が有力どころになっていることだ。それだけに見応えある熱戦になること請け合いだが、力が拮抗していると見られるだけに、馬券的には難解である。
それでも最も期待を寄せたいのは、エイシンヴァラーだ。
前走のカペラSは8着と1番人気を裏切る結果となったが、これで評価が下がるようなら穴党としては歓迎だ。敗れたといっても勝ち馬との差はコンマ3秒。昇級初戦で初めての重賞。ややテンションが高かったことを思うと、3カ月半ぶりの前々走を勝った反動(2走ボケ)があったのかもしれない。そうであれば、巻き返しは大いに期待できるというものだ。
前走後はここを目標にじっくりと乗り込まれ、落ち着きを取り戻して好気配。見違えるばかりの状態のよさだ。
「馬体がふっくらとして、稽古の動きが滑らか。前走の比ではないですよ」
こう厩舎スタッフが口をそろえるほど。1週前の追い切りでは、しまい重点にすばらしい動きを披露していた。
この根岸Sを連覇したサウスヴィグラスを父に、パワーが売り物のシンボリクリスエスが母の父。そしてエイシンルーデンス(重賞2勝)が祖母という血統のよさもあり、初の重賞制覇のチャンスは十分。左回り(中京で勝利)もスムーズで、初の東京も問題ない。充実の5歳馬。力を要する良馬場なら大きく狙ってみたい。
シルクロードSはハンデ戦。ひと波乱あっていい。
狙ってみたいのは、セカンドテーブルだ。一本調子の面があった馬だが、前2走のレースぶりがよく、進境が見られる。体が一回り大きくなり、抑える競馬が板についてきたとなれば、これからの活躍も期待できるというもの。
そもそも京王杯2歳Sを制した、れっきとした重賞勝ち馬。能力の高さは確かだ。恐らくハンデは53~54キロ。前走の別定戦は55キロでコンマ1秒差の3着。相手は強くなるが、良馬場なら“一発”があっていい。