奔放言動も魅力で、本誌でも「3日前にセックスした」発言を報じたこともある若手女優・吉高由里子(23)が4月4日、自身のツイッター上に1枚の自筆イラストを公開した。個性的なタッチの絵には思わず目を留めて凝視してしまうが、よく見ると“あの絵”に似ていないか‥‥。
〈この位しか書けない 絵がうまくなりたい〉
意図的に角ばらせたような文字と、精神世界を描いたかのような奇妙なイラスト。吉高がこの絵を公開するやいなや、ネットユーザーたちが反応した。
「バモイドオキ神だっけ?」「絵も字も酒鬼薔薇(聖斗)」などなど、ネット上の掲示板でこうした指摘が繰り返されたのである。
酒鬼薔薇とは言うまでもない。97年に神戸連続児童殺傷事件を起こした、当時14歳の少年Aが、犯行声明文で使用した名前である。
少年Aはバモイドオキ神という神を空想で作り上げ、信奉した。犯した殺人についても、その神にいけにえを捧げるために実行したというのだった。そして、Aはバモイドオキ神をイラストに残してもいたのである。何とも薄気味悪い絵は、事件に結び付く少年の精神状態を表すものとして注目されたものだった。
そんなイラストと類似しているなどと言われては、吉高も心外であろう。
とはいえ、絵ばかりか文字までそっくりとは、はたして偶然なのだろうか。
神戸の事件に関して、著書「少年Aの深層心理」(青弓社)もある、臨床心理士の矢幡洋氏に解説してもらおう。
「確かに、2つの絵には共通点がありますね。字も含め、かなり奇をてらって、わざとらしく表現している。これを『衒奇性(げんきせい)』と言います。やや常識からぶっ飛んだ世界を心の底に隠すのではなく、人に見てほしいということで公開しているわけです」
さらに共通点はある。
「酒鬼薔薇の絵には昼と夜が同時に描かれていますが、吉高さんのものもパッと見ると中心のイラストは月の後ろに太陽が隠れているように見える。どちらも二項対立的で、非人間的な対象物でシンメトリカルな世界観を出しているところが似ていますね」
そうはいっても、歴史的大罪を犯した少年と新進女優の心持ちがまったく同じであろうはずはない。
「吉高さんが描いたものは、どれも顔を隠していたり、隠そうとしたりしている。酒鬼薔薇の絵にはない、シャイネスが見て取れます。しかも、バモイドオキ神は冷たい表情をして、触手が今にも襲いかかってきそうですが、吉高さんのイラストは愛想笑いを浮かべている。さらには『教えてください』と卑屈なまでに低姿勢。つまり他人を怖がりながらも、関わりを持とうとしているんです。そうした部分から、過去に対人関係で傷を負っている可能性は指摘できますが、対人関係を放棄している酒鬼薔薇とは決定的に違いますね」
わざと似せたわけではなかろうが、少年Aと比較されようとは災難だった。それにしても、常人では思いもつかない世界観を持っているのは、女優ならではの資質か。
「役を広げるという意味で、自分の中の汚い部分も出していかないと演技にならないというのはあるでしょう。それを、あえて人の目につくところに出してくる。周囲が奇異に思うようなことでも、本人にとっては当たり前なのかもしれませんね」
女優・吉高の言動は波紋を呼ぶばかりなのである。