関東第一高時代に甲子園を沸かせた楽天のスーパールーキー、オコエ瑠偉(18)が、プロの世界で潰されるかも!? キャンプイン後、紅白戦、練習試合などで何とかヒットは出しているものの、その舞台裏はゴタゴタの山。打撃フォームをいじくり回されて大混乱し、ツイッターでは暴言騒動を起こす始末で‥‥。
沖縄・久米島でのキャンプ初日。注目を集めたオコエのフリー打撃はまるで打球が飛ばず、首脳陣を慌てさせた。金属バットの弊害で左脇が開いた極端なドアスイングのため、プロのスピードに力負けしていたのだ。それでもまだ入団したばかりの大型ルーキー。通常はやれるだけやってみてから打撃改造に乗り出すものだが、今季から就任した池山隆寛打撃コーチ(50)が翌日からいきなりフォームをバラバラにして、ゼロからフォーム改造に手をつけてしまった。池山コーチはヤクルト二軍コーチ時代にトリプルスリー男、山田哲人(23)を育てた熱血指導ぶりで知られる。スポーツライターが苦笑する。
「池山コーチは教え魔です。まず最初に木のバットの芯をどうやって見つけるか、から教えだしました。そのうえで、投手のどこを見るか、タイミングをどう取るかなど、まるで小学生の野球教室です。あげく、テイクバックがまったくないフォームに変わってしまい、さらに打球が飛ばなくなってオコエも大混乱です。『山田哲人を育てた池山がオコエを徹底指導!』という報道になっていますが、『ちょっとやりすぎじゃないか』と、関係者は顔をしかめていました」
チューブで脇が離れないようにする矯正練習を課されたオコエがある時、そのチューブを忘れ、池山コーチが鉄拳を食らわす「事件」もあった。実戦参加する際は、梨田昌孝監督(62)が「高校時代に戻ってしまわないように」と注意を与えたのに対し、池山コーチは「何も考えずに思い切っていけ」とチグハグな指示。
そもそも打撃指導が池山コーチで一本化するのならまだしも、楽天には磯部公一打撃コーチ(41)もいて、池山コーチが目を離したすきに、また全然違ったアドバイスを送るものだから、はたから見ていてもオコエの混乱ぶりがよくわかる。
「さらに、キャンプ訪問の評論家たちも次から次へと独自のワンポイントレッスンを施していくものだから、ますます混乱に拍車がかかりました。オコエも言われた指示をすぐにやってみせるだけの吸収力と対応力があるので、毎日のようにフォームが変わるという事態に。池山コーチは『お前もいろいろ言われてこんがらがるだろうから』と、練習ノートをつけさせていますが、そうさせるくらいなら、食い違い指導をさせないよう環境を整備しておくのが先決でしょう」(球団関係者)
オコエを見た野球評論家の一人からは「あれだけ手打ちになっていたら、プロでは通用しません。高校時代はもっと体全体を使って躍動感があったのに」と、ダメ出しが出る始末だった。さるスカウトも言う。
「過去にプロに入ってから失敗したドラフト上位選手の多くは、コーチの指導で潰された。合う合わないがあるし、自分を見失い、無理をして故障してしまうこともある」