パ・リーグは埼玉西武ライオンズの優勝マジックナンバーも点灯し、ソフトバンク、日本ハムはクライマックスシリーズ進出権の死守に切り換え、下位チームは来季に向けて動き始めた。特に東北楽天ゴールデンイーグルスの石井一久ゼネラルマネージャー(以下=GM)は、その手腕が問われそうだ。
「石井GMの初仕事はドラフト会議になりますが、こちらはスカウトが情報をまとめているので問題はありません。手腕が問われるのは、新監督とコーチ人選です」(ベテラン記者)
平石洋介・代行監督から「代行」の2文字は消えていない。30代とまだ若いため、来季は新監督を招聘すると目されており、ここに“石井カラー”が初めて反映されるというわけだ。しかし、その一方でこんな見方もされていた。
「人事に関しては、三木谷浩史オーナーの意向が強く反映されます。石井GMはそういう人間関係をすでに見抜いているので、オーナーが推薦する人がいたら、それに賛成するだけ」(球界関係者)
石井GMのネットワークで、一時は古巣のヤクルトOBから新監督が選ばれると思われてきた。しかし、それも違っていて、「立花球団社長と池山二軍監督は折り合いが悪い。石井GMはヤクルト時代の先輩である池山二軍監督も容赦なく切る」(前出・球界関係者)という。
「西武移籍後に技巧派に転向し、その投球理論に、涌井、岸、菊地などから尊敬されていました。牧田和久からもメジャー挑戦について相談されていました」(前出・ベテラン記者)
現役時代のしがらみにとらわれない人事ができる点では、石井GMは優秀なのかもしれない。とはいえ、フロント幹部にばかり目が行っていると、恨みも買いそうだが…。
(スポーツライター・飯山満)