今週は中山で皐月賞TR「スプリングS」が行われる。過去5年は堅めの傾向だが、万券王・水戸は荒れるとにらんでミッキーロケットを穴馬に指名。一方、「阪神大賞典」は、14年の菊花賞馬トーホウジャッカルの復帰戦。
今週のメインはスプリングS。弥生賞と同じ皐月賞のトライアルレースだ(3着までに優先出走権が与えられる)。
2週前に行われたその弥生賞は、マカヒキが末脚を爆発させ、勝ち名乗りを上げた。レースレコードのおまけ付きで3戦全勝。サトノダイヤモンドと並ぶ新たなスター候補の誕生と言っていいが、さて、今回のトライアルをモノにしてスターダムに躍り出るのは、どの馬か。興味津々の一戦だ。
ここ十数年を振り返ってみると、スプリングSは弥生賞以上にクラシックとの関連性が強い。3冠馬オルフェーヴルを筆頭として、タニノギムレット、ネオユニヴァース、メイショウサムソン、アンライバルド、そしてロゴタイプ、キタサンブラックと、ここで勝ち負けしてクラシックを制した馬は多いのだ。
では、今年の顔ぶれを見てみよう。2戦2勝のサトノキングダム、ドレッドノータス、目下連勝中と勢いに乗るマウントロブソン、そして、巻き返しを図るロードクエストといったところが人気を分け合うのだろう。いずれも高い評価を得ており、どの馬が勝ってもおかしくない。
ここ5年間は1番人気馬が【1】【2】【1】【2】【2】着と必ず連対しており、03年に馬単が導入されて以降、1番人気馬は4勝(2着5回)。2番人気馬は3勝(同0回)と、人気、有力どころを軽く見ては断じていけないことがわかる。
ということは、前述した4頭のいずれかから入るのが馬券の筋ということになるが、当方としては、もう1頭忘れてもらっては困る馬がいる。ミッキーロケットが、それだ。500万条件馬だが、素質は有力どころに断じてヒケは取らないと見ている。
未勝利を勝ったあとの前2走は、ともに2着と敗れているが、前々走は緩いペースの中、後ろから行きすぎたのがいけなかった。前走は出遅れ。馬場も悪く、持ち味の切れる末脚を存分に生かすことができなかった。ともに不運だっただけで、評価を下げるわけにはいかない。
前走後は自己条件に見向きもせず、ここ一本に照準を合わせて調整してきている。陣営のこの馬に寄せる期待の大きさがわかろうというものだ。
「まだ心身ともに幼い面もあるが、使われるたびに良化している。能力はかなりのもの。ここでもヒケは取らないと見ている」
音無調教師は、こう言ってヤル気をチラつかせるほどだ。
1週前の追い切りでは、伸びやかでリズミカルな動きを披露。状態のよさを誇示していた。
均斉の取れた好馬体からして大物感十分だが、血統(母系)が、またいい。ランドシーア(仏2000ギニーなどGI2勝)をはじめ、近親、一族に活躍馬が多くいる良血。ならばチャンスがあっていい。
良馬場条件に大きく狙ってみたい。 このレース、穴としておもしろいのがマイネルハニーだ。恐らくハナを切るのは、この馬。気難しい面はあるが、能力は高い。オークス馬アグネスレディーが近親。あれよ、あれよの逃げ切り。そんなシーンがあっても不思議ではない。
ここ5年間は1番人気馬が連対していると前述したが、03年以降、馬単で3回の万馬券が飛び出している。忘れた頃に波乱になるケースもあるレース。追い切り後の状態チェックは怠らないように。