今週は伝統の一戦「中山記念」が行われる。ダービー以来となるドゥラメンテに注目が集まりそうだが、万券王・水戸は力量馬フルーキーに◎を打った。一方、阪神の「阪急杯」は、桜花賞馬レッツゴードンキが勝負気配。
伝統ある一戦だけに、中山記念は毎年、顔ぶれがいい。過去10年を振り返ってみても、毎年のようにGI勝ち馬が名を連ねている。そして、そうした馬が勝ち負けしているのも、この重賞の重みであり、特徴だ。
今年も顔ぶれは豪華だ。昨年の皐月賞、ダービーの2冠を制したドゥラメンテが、ここで戦線復帰を果たすが、これにイスラボニータ、ロゴタイプが加わってGI勝ち馬が3頭。その他もほとんどが重賞勝ち馬で、それは迫力満点の白熱したレースになること必至である。
馬券的には、どうだろう。能力的にはドゥラメンテだが、骨折明け9カ月ぶりの実戦。しっかり乗り込んでいるが、やはり割引が必要なのではないか。
ドゥラメンテだけではなく、有力どころは休み明けが多い。最終追い切りでどれだけ動くか。状態のよしあしは、しっかり見極めたいところだ。
では、データをひもといてみよう。
03年に馬単が導入されて以降、これまでの13年間、馬単で万馬券になったのは2回。1度、13番人気馬が勝って、12番人気馬が2着と大荒れ(10年)になったが、この時は泥田のような不良馬場。良馬場でまともならば、波乱に終わることは、ほぼないと見ていいだろう。
この13年間で1番人気は4勝、2着1回。2番人気は3勝、2着2回。つまり1、2番人気の半数以上は連対を果たしており、中穴傾向の重賞と見ていいか。
また、出走頭数が少ないこともあるが、この間、牝馬で連対を果たしたのは昨年の勝ち馬ヌーヴォレコルトのみで、91年の勝ち馬ユキノサンライズ以来のこと。やはり牡馬が主力のレースと言っていい。
年齢は、どうか。これはノビシロのある明け4歳馬が強いように思われがちだが、6歳以上の古豪の奮戦ぶりが目立っており、4歳、充実の5歳だけに目を向けるべきではないことがわかる。
当方としても期待を寄せたいのは6歳馬だ。狙いはフルーキーである。
前述したようにドゥラメンテほか、これはと見られる有力どころは、いずれも休み明け。ならば少し間があいたといっても、ここ目標にしっかり乗り込まれて仕上がりのよさが目立つこの馬を注目しないわけにはいかないだろう。
フルーキーも中山金杯3着以来2カ月ぶりの実戦。が、早くからここに照準を合わせ、抜かりなく調整されてきただけに、寒い時期ながら重め感はまったくない。1週前の追い切りも軽快かつリズミカルだった。
「ここが目標。距離、コースと、この馬には合っているレース。楽しみです」
こう意欲的に話すのは角居調教師だが、陣営にとってはGIも、と期待している力量馬。1800メートルは〈3 1 0 1〉と、連対を外したのは昨年6月のエプソムC(4着)のわずか1回。それでも勝ち馬とはコンマ2秒差。とにかくフルーキーには、ここは条件がそろっているレースなのだ。
曾祖母アウトスタンディングリーは、BCジュヴェナイルフィリーズなどGI2勝(米国10勝)の女傑。こうした血統背景もあり、厩舎サイドに力が入るのもうなずけるというもの。良馬場条件に大きく狙ってみたい。