女子フィギュアスケート界で、ソチ五輪前から台頭してきているロシア勢。これほどまでに成長を遂げたことには確かな理由がある。
「ロシアには国家を挙げて強化選手を育成するシステムがあります。モスクワ中央陸軍が管轄する多種目のスポーツクラブ『CSKAモスクワ』です。浅田真央選手のコーチだったタチアナ・タラソワコーチのホームリンクもありますが、プーチン大統領寄贈のスケートリンク、プール、体育館など約40施設を完備し、子どもたちが勉強する部屋や特別学校なども併設、スポーツ選手に欠かせないダイエットにも対応するビュッフェもあって、理想的な練習環境を整備しているのです」(スポーツライター)
日本でもスポーツのエリートを育成する「味の素ナショナルトレーニングセンター」があるが、規模もカバーしている種目も比べものにならないという。また、日本のスケート連盟も強化選手、特別強化選手の指定を行って強化費を支給しているが決して十分なものではない。しかし、前出のスポーツライターはこう付け加える。
「ロシアほど大規模な施設も手厚いサポートもないのに、これだけ世界のトップクラスの選手たちがいるということは逆にすごいこと。それだけ育成の質が高いといえるでしょう」
さらなるフィギュアスケート界の飛躍のために、ロシアくらいにとは言わずとも、もう少し国の支援を仰ぎたいところだ。
(芝公子)